いろんな意味でヤバかった「千夜一夜物語」虫プロ(1969年)レビュー
寝る前にちょっとYoutubeでもみようかなと思いつつChromecastを立ち上げて、オススメに上がっていたので何の気に選択してみたわけだけど。
前情報なしどころかChromecastのオススメからみたAmazonPrimeVideo作品って
タイトルと制作年と、あれば一枚絵しか情報が出てこなくて、
それでも最近の作品はおそらく制作側がそれ用に用意したであろう画像であることが多いけど、旧作ってわけわかんないスクリーンショットだけとか、下手するとそれすらなかったりして。
そんな中、なんとなく見始めてしまったのだけれども。
飽きたらやめていいからマジで冒頭のオープニングが始まる前の冒頭2分だけでいいからAmazonPrime入ってるなら見てほしい。マジでヤバいから。
以下、実際に作品を見てから読むこと推奨=======
で、オープニングがはじまってスタッフロールをみてはじめて、
「あ、手塚治虫なのかwwww」
ってなったわけですよ。
さらに、美術 やなせたかし…
え?アンパンマンの?
くらいのゼロ情報でみたわけだけれども。
結果的に寝る前にちょっと記事書こうってなっちゃってる。ちなみにプライムビデオでの映画なんて、再開してからもぽろぽろはみてるんだけど、そんな記事書きたいななんて、思わないことのが多いけど、これは書きたいなって思った。たぶん途中まで書いて寝るけど。
ヤバすぎる冒頭2分
正直に、デジタルリマスターだと思ったし、冒頭30秒にしてCG挿入してる?って思った。なんなら、音楽も差し替えてる?って思った。
でさらに、冒頭1:30にCGだと思ったのはなんと、実写ジオラマだったそうで。
レビューみたら、デジタルリマスターですらないだとぉぉぉぉぉ?音楽に至っては、言われてみれば…
確かにモノラル。
そう、元のまんまということ。声は確かに何言ってるかわからないところがあるけど音楽やべーなってなったんだけど。
まさになんじゃこりゃ?なんだよね。
え?これアナログなの?ってなる。
洗練されてなくて低予算からこそ
あらゆる手法を使ってる?
ディズニーに影響されたんだろうなっていう部分だけはわかるんだけれども。(手塚治虫がディズニー好きだったのはたぶん有名?)
洗練されてないがゆえに、実験的な部分もあったり、おそらくウィキペディアでも記述のあるこのあたりがかなりあると思っていて。
普通の古いアニメっぽい部分と、妙にスタイリッシュな部分があって。でもこのスタイリッシュさって、絵が上手いとか下手とかって話じゃなくて、めちゃくちゃセンスはいいけど、まったくもってこなれてる感が無くて、めちゃくちゃ技術で直球勝負されてる感じがあるんだよね。
で、何が違和感か、記事を書き始めてめちゃくちゃ考えるまで分からなかったんだけど、たぶんアニメの歴史の中で途中CGに切り替わる間の時代ではしてなかった(またはできなかった)表現がふんだんに使われてて。
私が子供時代に観ていたアニメよりも古いといわれて、納得する部分と「うっそだぁ」ってなってるところがあってね。
少なくとも中だるみでレビューやらウィキとかやらを見終わる前にみはじめるまで、CG映像を最近になって差し込んでると思ったし、音楽も入れ替えてるくらいに思ってた。
今、特に低予算で動画制作してる人って見た方がいいんじゃないの?って感じがマジでしたんだよね。
観たことのない風景
実はこの年代の日本のアニメって見たことなくて、せいぜいもうちょっと古いディズニー映画くらいで。
小説家何かの話をもって世代の違う作家の作品はそのジェネレーションギャップがゆえに文化圏が違って、触れてきた作品も違うからこそ見せる景色が違うから「伝説」めいたものが増すなんてのを以前どの記事かに書いたことがある気がするんだけれども。
最近の作品って、製作者の歳が上も下も近すぎて、ベースにある文化が同じすぎるのはちょっと問題だと思ってる。何に影響されてその表現をしてるのか見えすぎちゃう。
外国の作品はそれでももうちょっとマシだと思ってたんだけれども、それすらその前から世界で見られていた映像作品どころか、インターネットによって世界中の情報がある程度は共通化されちゃってる部分があって、「同じ文化圏」度合が近づいちゃってる気がするんだよね。
生活習慣的な文化圏とは別にサブカル的文化圏っていうものがあると思っていて、海外の人としゃべってて同じサブカル的文化圏を持っていることは共通の会話になっていいと思う一方で、フィクションを鑑賞するといういう意味では、近づきすぎると結局”同じ文化圏”の作品になっちゃうわけで。
でも、この作品には何にも似ていない風景、表現があった。
私がこの作品中で通ってきた表現があるとすれば、ディズニーと特にダンボに登場するようなサイケ表現程度で、むしろルパンの元ネタってこいつ?なんて思いつつ、よくよくウィキペディア見たら、主題歌を歌ってるのが「ルパン三世」の主題歌を歌っているチャーリー・コーセーだったりするわけで。
あとはどこがどうというわけではないけれど、割と最近勧められてみはじめたけど結局最後まではみていないカウボーイビバップもこれに影響されてそうだなって思った。
余談的に魔人ジン・ジニーの頭についてる棒、ドキンちゃんかよっって思ったら、キャラクターデザインもやなせたかし先生でした(笑)なんか女の子の方のジニーちゃん性格もドキンちゃんだし。
つか、バイキンマンとドキンちゃんの元ネタもしやこれ?
あとジオラマ背景で思い出すのは割と最近だけれども、ファイナルファンタジーの坂口博信氏の最新作「FANTASIAN(2021)」なんだけれども。
背景をあえてCGで作らずにジオラマで作って、それにキャラを動くフィールド領域を埋めてくみたいなことをしてるんだよね。
なんでジオラマなんだろう?って思ったんだけど、もしかして?
まぁジオラマ自体は特撮なんかでも使われてるだろうけど。
一応筋書きについても触れてみる
けど、まぁあってないようなもんだよね(笑)
「千夜一夜物語」の原作は、前に3巻くらいまでは読んで挫折したことがあるけれど、そもそも原作が内容あってないようなものだからなぁ。
もちろん有名なアラジンとかシンドバッドはその中の一部だけれども、重箱構造って言われている原作は、登場人物が物語をはじめるんだけれども、劇中の話の中の登場人物がさらに別の話を始めてしまうという、かなーーーりカオスな内容で。
ただ、その中に出てくる男たちは、アラジンやシンドバッドのように勇敢かと問われれば、むしろ嫉妬深くて、ひとめぼれしたお姫様が忘れられなくて、食事ものどが通らず死にかけるみたいなヤツのほうが少なくとも私が読んだところまででは多かったような。
ここに出てくる男キャラは基本クズばっかりで、いい男が1キャラしかいないけど、それは案外原作もそんなかんじともいえる(笑)
なんていうかこれもアートだよね
昨日、スタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」を見てきた感想をあげているんだけど、見た印象としては結構近かったんだよね。
筋書きとしては、どっちもアレなのよ。
で、1969年の作品は、現代のポリコレ的感覚でみちゃうから余計にそう思うのかもしれないけど、そんなによくないと思うんだけど、全体の雰囲気としては頭にゴンって来た。
それは、今ほどのアニメ自体が商業的に洗練されていなかったとか、制作方法も実験的だったとかもあるのかもしれないけれども、なんか、ストーリーも伏線も緻密できっちりしている最近の作品にはない、勢いだけでやっちゃいました♡みたいな感じの作品もあっていいよねって。
良くも悪くも若さを感じるとがり方で(その当時の制作スタッフの歳なんてわからないけど)、ヤバすぎた。
パケやポスターも素敵
カイ・ニールセンでこんなかんじのがあった気がしてて。好き。