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漫画で古典!

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平安時代の古典文学とそれにまつわるアレコレを漫画と記事で紹介します^ ^
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2024年6月の記事一覧

【漫画】『枕草子』ってどんな話? ー 雪山の賭けと定子の復帰 ー

内裏を退出してから1年後、中宮職の御曹司に住むこととなった定子。 中宮職の御曹司というのは中宮に関わる公務を司る役所のことで、内裏の外・大内裏の内にありました。長徳の変で髪を落とした定子は、倫理的・政治宗教的な理由で内裏に戻ることが許されず、不安定な立場に置かれます。 史実では夫である一条天皇も定子のもとに通うことはなかったようで…公卿たちから厳しい批判があったのでしょう。 しかしそのような中でも定子サロンは華やかさ保ちつづけ、ある”賭け“を始めました。その様子を描いた「

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 唐物に囲まれた醜女・末摘花 ー

長く垂れた鼻先が赤いことから”末摘花”と呼ばれたこの女性。 『源氏物語』随一の醜女として有名ですが、実際どんな人なのでしょう? 醜女で不器量だった末摘花 『源氏物語』では登場人物の要望が詳細に書かれていることがあまりないのですが、末摘花に関してはかなり詳しく描写されています。 第6帖「末摘花」より該当部分を抜き出してみましょう。 源氏は、前年に夕顔を亡くして以来、「どうかしてたいそうな身分のない女で、可憐で、そして世間的にあまり恥ずかしくもないような恋人を見つけたい」と

【漫画】“外国“が舞台の平安文学 ー 『うつほ物語』ってどんな話? ー

かな文字が広がり、多くの物語が生まれた平安時代。 唐との正式な外交がなくなったこの時期に生まれた日本の風土や感性を重視する文化を「国風文化」といいますが、その頃にも外国を舞台とする物語がありました。 そのうち最も古く、『源氏物語』にも影響を与えたと言われているのが『うつほ物語』です。 “うつほ“で育った貴族の秘琴伝授の物語 『うつほ物語』は親子4代にわたる秘琴伝授の物語。3代目にあたる藤原仲忠を主人公とし、貴族の求婚譚や皇位継承をめぐる対立を絡めながら話が進んでいきます。