わかってそうでわからない言葉を掘り下げる①
ライターを始めてもうすぐ5年になるが
未だに「わからない言葉」に遭遇することがある。
特に「普段何となく使っていないけど正確にはわからない言葉」は
毎回記事を書くたびあって、いかに普段の会話が適当か思い知らされる。
そんな言葉をせっかく毎回調べているのでこれからnoteに取り上げてみることにする。
1回目の今日は「デニール」だ。
女性なら聞いたことがある人も多いだろう。
逆に男性はほとんどこの言葉自体聞いたことがないのではないか。
葉巻をくわえたニヒルな男性を思い浮かべたあなた、それはデニーロだ。
一音違いが大違いなので用心してほしい。
デニールは、タイツでよく見る単位である。
おそらく厚さという認識の人が多いはずだ。
40デニールは肌が見えるくらいの薄手、60はふつう、80はほとんど透け感のない厚手といった感じなので厚さや透け感を表すものだと私も思っていた。
それもまあ、間違ってはいない。
普段使う分には、その認識で全く問題ないだろう。
しかし正確にはデニールは「繊度」の計量単位である。
繊度は、端的に言うと使われている糸の太さのことだ。
太さは長さ(mmなど)で表すことができるのでわざわざ単位が必要なのか疑問に思ってしまうが、これは太さに糸の質(重さや密度など)が
加わった単位なのである。
1デニールは9000mの糸の質量が1gである状態を指すらしい。
つまり、デニールが増えるほど、密度が大きく太い糸を使っていることになる。
デニールの違いは糸の違いだが、密度や太さの異なる糸を使えば、厚さや透け感が異なってくるので、厚さや透け感を表すという理解もあながち間違ってはいない。
さて、私は本日160デニールの超極厚なタイツを購入した。
せっかくなので、デニールから使われている糸の長さを算出してみよう。
まずは、タイツの重さを計測する。タイツの重さは125gだった。
後にも先にもタイツがキッチンスケールに乗るのは今日限りだろう。
1デニールは9000mの糸が1gであるので単位を置き換えると
g/9000mである。
糸の長さをXとして両側の単位をそろえて計算していくと
160g/9000m=125g/Xm
となる。これを解くと
X=125/160*9000
=7031.25
おおよそ7031mの糸が使われていることがわかった。
……わかったからって何なのだ?
ただ正直、60デニールのタイツと80デニールのタイツで
原料となる糸が違うのかというとそうじゃない気がする。
むしろ、実感としては「編み方の密度なのでは?」という気もしている。
とはいえ福助のHP見る限りはやっぱり糸が違うようだ。
実際にデニール数の違うタイツをほどいて
糸の太さを比べてみたらデニールの定義を実感できるかもしれない。
伝線したタイツなどあればやってみてほしい。
そのときはぜひ上記の式を参考に糸の長さも算出して
デニールがあってるか計算してみてもいいかもしれない。
私は絶対やらんけど。