息子にライターの修行をされてる気がする
2歳の息子はイヤイヤ期が若干落ち着いてきて
絶賛、なぜなぜ期である。
「これなに?」「あれだれ?」「なんでなん?」
大袈裟ではなく、多分1日100回くらい聞かれている。
そのたび私は大真面目に答えている。
救急車を指せば、「病気の人を運んでいるんだよ。」
歌手なら「歌を歌っている人だよ。仮面ライダー○○の歌とかね。」
ローズマリーなら「うちにもあるお花だよ。葉っぱはお肉と一緒に食べるとおいしいよ。」
などなど。
まあ、こういうのならまだいいんだけども
息子のなぜなぜの範囲はあまりに広くて、どう答えていいかわからないときもしばしばある。
選挙カー⇒「えらくなりたい人が選んでね、って言ってるんだよ。」
マンホール⇒「下にお水が通る道があってね、あんまりいっぱいになったらここから出せるようになってるの。あと、そこをお掃除したり修理したりするときに入ることもあるね。」
ウルトラマン80「せ、1980年に放送されたウルトラマンで当時オイルショックで石油が高騰していたことから光線があんまり使えずアクション重視の・・・あ、聞いてないね。」
2歳息子の語彙で、息子が飽きない話題もはさみつつ、短時間で
すべてのものを説明するのはすごくすごく難しい。
だけどこれって、ライターとしての仕事の本質だよなぁと思うのです。
私のように雑多なジャンルで執筆しているライターにとって大事なのは
「わかりやすさ」と「読みやすさ」、であると思う。
まず、わかりやすいこと。
難しい言葉を使い過ぎない。文章を簡潔に書く。
中学生でもわかる文章が理想、というのはクライアントにも
大学時代の論文執筆の際にも言われたことがある。
広くたくさんの人に理解してもらわないと、その文章には意味がない。
次に、読みやすいこと。
文章のテンポの良さ。興味を引く言葉選び。
飽きさせない文章構成。
長文でもすっと読み終えてしまう、そんな文章が理想。
最後まで読んでもらえないなら、理解はしてもらえない。
わかりやすさ以上に、重要ともいえる要素だ。
ただ、どうしても仕事をしていると自分が基準になってしまう。
本が大好きでライターを仕事にする程度の文章力や語彙があり
長い文章でも読むのが苦じゃない自分。
そんな人なら正直、大体どんなクオリティでも読めるだろう。
だからまっさらな言葉で読み直してチェックする。
「この記事をどのくらいかみ砕けば子供だちにも伝えられるかな?」
かみ砕いても伝わらない感じがしたのなら、
それはたぶん、何かしら破綻していて、大人にも伝わらない。
かみ砕いてめちゃくちゃ長くなるのなら
大人にだって読むのにそれなりの労力がかかるということ。
冒頭のように物事を簡潔にわかりやすく伝える練習、をするのは
ライターにとってめちゃくちゃ実践的なトレーニングだ。
だけど普通に生活してたら難しいトレーニングだと思う。
だからなぜなぜ期の子供は、私にとって宝物。
ちなみに我が家には息子以外にも5歳の次女、7歳の長女がいるのだが
全員2歳でなぜなぜ期に首を突っ込んで以降、一度も抜けていない。
ついでにいうと、夫も二言目には「何でなん?」というような
永遠のなぜなぜ期だ。
なお、私も何かわからないことがあったら調べずにはいられない。
総勢4人のなぜなぜに囲まれ、セルフなぜなぜも誰かに話したくなって
一日中何かを説明している気がする。
・・・私ってホントにライターが天職なのかもしれないな。
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