罪悪感がやさしさになる

子供に甘える日がある。

ちょっとしたことは結構しょっちゅう甘えているのだが

一番しっかり甘えてるのは生理のときだ。

生理のとき、私は上の子たちに下の子のお風呂をお願いして

一人のお風呂時間、を作ってもらう。

生理中は何かとイライラしやすいし冷えによる体の不調も多い。

私は昔から、お風呂がかなり重要な気分転換である人間なので

このときだけは完全に、子供に甘えることにしている。


子供が生まれて、可愛くて可愛くて

私は一時、全てを子供第一にして、パンクしてしまった。

一時保育を利用して、めちゃくちゃ癒されてしまって

でもその事実が子供に対して悪いような気がして

苦しくて苦しくて苦しくて母に電話したのだ。


「罪悪感でおかしくなりそう。」

そういう私に母はあっけらかんとこう言った。

「罪悪感でね、人はやさしくなれるんだよ。」

母も昔、私を耐えられなくて一時保育に預けたのだそうだ。

でも特にすることもなく、1時間パチンコうってたんだって。

わあわあ泣く娘を預けて、娘に何の利益もない遊びをして

申し訳なくて申し訳なくて

母はその日、私に対してすごく優しくなれたのだそうだ。

「自分の機嫌をとるのが、主婦の一番の仕事なんだよ。」

母の言葉に、「大人なんだからあたりまえじゃん」と思った。

だけど私はちっともそれができなくて

できるようになったのは、できない人が多いことを知ったのは

大事だってわかったのは、ホントにホントに最近。


母は、自分の機嫌を取るのはとても上手な人だった。

おかずはいつも一品フライパンから直だったし

洗濯物が畳まれてたことはほとんどなかったけど

一人っ子なのに、割とほっとかれていたけど

その代わり、母の機嫌で理不尽に怒られることもほとんどなかった。


広いお風呂に頭までどぷんと浸かっていると

母のことをよく思い出す。

私は母と全然タイプの違う人間で

自分の機嫌を取るのも、決して上手じゃないのだけれど

最近になってやっと、子供に甘えられるようになって

子供第一じゃなく自分を大切にできるようになった。


もちろん、子供は大好きなので第一にしたい気持ちは強いんだけど

親が子供第一にすることは

子供にとっては必ずしもありがたいことではないのだと思う。


だって、自分が子供の頃、

お母さんが嬉しそうにしてることで、

どれくらい幸せな、ほっとする、気持ちになっていたか。

ごはんが手抜きでも洗濯物がぐちゃぐちゃでも

そんなこと本当にどうでもよかった。

でもお母さんが辛そうなのは

自分に関係なくても心がきゅうっとなって

声が出ないくらい、苦しかった。


子供にとって、

周りの大人が幸せかどうか、はとっても大切なこと。

そんなの、身をもって知っているはずなのに

どうしてみんな、忘れてしまうのかなぁ。


自分を大切にして、幸せになって

その余裕と、罪悪感で以て、初めて人は優しくなれるんだ。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?