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硝子戸が開いて きみの姿が遠くに見えた 左の眼が壊れたぼくには きみの顔立ちすらはっきりわ…
君は僕の顔を覚えていなかったし 僕の大切な宝物も捨ててしまったし 僕の声だけに耳を塞いだこ…
いつだって君がどうしているか、小鳥に尋ねてしまうけど 君と僕が同じものでなくたって、僕は…
君はその道を行くんだね 誰も待っていないその道を 君は少しだけ開いた未来の地図に気が付かず…
月が綺麗ですね、も素敵な言葉だけど、私は月よりも星が好き。私にとって貴方は大切な星。けど…
僕の両の手のひらに、突然飛び込んできた星の欠片。 僕の大切な、星の欠片。 ガラスの箱の底に…
夜の闇の黒がどんな黒だったか、赤く輝く星の色がどんな赤だったか、思い出せなくなっていた。 元々壊れていた左の眼には、世界は濁ってぼんやりとしか映らなかった。 自分がどこを歩いているのかも、忘れていた。 だから、突然両の手のひらのなかに落ちてきたものが何なのか、すぐには理解できなかった。 それは星の欠片だった。やわらかくてあたたかくて、見たこともないくらい綺麗で、名前もわからないのに、とても懐かしい気がした。 本当は、気付いてた。これはとても大切な欠片だって。 君の長い睫
青空にもたれかかる君の、黒く輝く眼差しが僕を捉える でも本当は、君の前に居るのは僕じゃな…
貴方の言葉に頷いたなら あたしは幸せになれたかな 貴方の言葉に頷かなかったのは 巻き込みた…
空の色は水色なのに雲の色は夕陽の色に染まって濃い橙色で 大地に近い空は確かに橙色だけど大…
うなじに焼き付いた魔法陣を、きみは髪をかきあげて太陽に晒す。 きみを呪う、小さな魔法陣。 …
闇に氷のつぶてをいっぱいに敷き詰めて、星空が生まれる。 ぼくはその星も空も好きだったし、…
春の空を溶かしたみたいなガラスの箱に、星の色の金平糖を集める。 ぼくのとっておきの、お菓…
きみがいなくなったとき、ぼくはほっとしたんだ。 きみが悪い人だったとぼくはあまり思っていない。けど、ぼくはきみとは仲良くなれないだろうと、きみとはじめて握手をしたあのときに、感じてた。差し出されたあの手を、握ろうかどうか悩んだあの日に。 そんなのは思い込みで、きみはきっといいひとだ。やっぱりぼくはそう思いたかったし、きみの笑った顔を見ていたかった。 でも、きみと握手をすると、きみの指先はナイフのようにぼくのやわらかいてのひらを突き刺した。きみはぼくの手から流れる血に気付