
うさぎの健康の要「うさぎの歯」について解説をします
うさぎは人間とは全く違う歯のつくりをしていることをご存知ですか。
歯にトラブルを抱えてしまうと全身に影響がでることがあり、最悪の場合、命に関わることが・・・。
歯はうさぎの健康を守る重要な役割を果たしているのです。

今回はうさぎの歯について解説をします。
みなさんのうさぎの歯の健康について考えるきっかけにしてくださいね。
うさぎの歯の特徴について
うさぎの歯は「常生歯」と言われ、人間の歯と違い生涯伸び続けます。
なんと1年で10~12㎝伸びるそうです!1週間だと2㎜!
想像以上に伸びますね。
野生のうさぎは、野草の他に木の皮や根っこなど堅い物を食べています。
堅い物を食べることで、歯は自然と摩耗され適切な長さを保つことができるんですよ。
ペットのうさぎに野生の様に木の皮や根っこを食べさせることは難しいですが、堅い牧草をしっかり食べさせることで歯を摩耗させることができます。
うさぎの歯のトラブルについて

不正咬合について
何らかの原因で歯が摩耗されず、歯の噛み合わせに異常がでてしまうことを「不正咬合」と言います。
不正咬合の原因は主に4点あります。
・落下などの外傷
・食生活
・ケージかじり
・遺伝
・落下などの外傷
抱っこしている時に誤って落としてしまうと、落下の衝撃で口内を傷つけてしまうことがあります。なるべく飼い主さんが座った状態で低い位置で抱っこしあげてくださいね。
・食生活
ペレットや野菜中心の食生活になってしまうと、歯が摩耗されず伸び続ける原因になります。
イネ科のチモシーを毎日の食事の中心にすることが大切です。
・ケージかじり
ケージかじりが癖になってしまう場合があります。
ケージをかじると飼い主さんが構ってくれると間違った学習をしているうさぎもいます。
堅い金属のケージをかじり続けると不正咬合の原因になりますので注意が必要です。ケージをかじっても飼い主さんが反応しない、かじられないように木製フェンスを取り付けるなどの対策を取りましょう。
・遺伝
遺伝的に不正咬合をおこしやすい仔がいるそうです。
顎が小さい品種がトラブルになりやすく、ネザーランドドワーフやドワーフホトは不正咬合のリスクがあります。他にはロップイヤーも遺伝的にかかりやすいと言われています。
歯の過長について

本来は摩耗される歯が伸び続けると、どうなっていくのでしょうか。
表にまとめてみました。
前歯・上の歯 口内で回転するように伸び、上あごに刺さることも
前歯・下の歯 口外に伸びた歯が出てくるので、見た目でわかりやすい
奥歯・臼歯 伸びると、頬の粘膜を傷つける伸びた歯は位置によって違いがありますが、
口内で伸び続けてしまうと発見が遅くなってしまうことがあります。
・水をうまく飲めない
・食欲不振
・よだれ
といった症状が見られる場合は、不正咬合の可能性があります。
症状が進むと、伸びた歯が口内を刺し穴が開いてしまうことも。
上記の様な症状があったら受診をしましょう。
歯のトラブルを防ぐためには?

不正咬合を代表とする歯のトラブルを防ぐには、普段から何に気をつければいいでしょうか。
防ぐための方法を2点紹介します。
イネ科のチモシーを食べさせる
まずは繊維質の多いイネ科のチモシーを好きなだけ食べさせましょう。
チモシーをもぐもぐと歯を擦り合わせるようにしっかり噛んで食べることで、歯を摩耗させます。
チモシーは硬く繊維質が多い1番刈りがおススメですが、苦手なうさぎもいるかと思います。
そういった場合は嗜好性の高い2番刈りや3番刈りのチモシーを与えてみましょう。
定期的に健康診断を受ける
うさぎの口内を定期的に観察して、歯が伸びすぎていないか確認をしましょう。
と言っても、飼い主さんがうさぎの小さな口内を見ることは、なかなか難しいですよね。
かかりつけの動物病院で定期的に見てもらうといいですよ。
不正咬合に限らずどんな病気・疾患でも早期発見することが大切です。
まとめ
今回はうさぎの歯の健康について解説をしました。
不正咬合を起こしてしまうと、病院で定期的に歯を削る必要がでてしまい、うさぎにも飼い主さんにも負担が大きくのしかかってしまいます。
不正咬合を防いだり早期発見したりするために、日頃から以下のことに気を付けて生活をしてくださいね。
・繊維質の多いイネ科のチモシーを主食にする
・定期的にかかりつけの動物病院で口内を点検してもらう歯の健康を守って、ご長寿うさぎを目指しましょう!
講師名 anan
子どもの頃から生き物が好きでした。今まで、ハムスター、インコ、モルモット、ハムスター、デグー、うさぎ、犬、ウーパールーパーとたくさんの動物と生活してきました。職場で飼っていたうさぎのお世話をしていたこともあります。
以前我が家にいたうさぎは、垂れ耳のオレンジ色のホーランドロップでした。今でも家の近所のうさぎ専門店に通い、可愛いうさぎの姿に癒されています。将来はネザーランドドワーフを飼ってみたいです。