心配のゆくえ
この間、文通相手から手紙を受け取った。
字は、その時の精神状態を語るというか、気持ちの揺れみたいなものを表すと、私は何となく思っている。
別にスピリチュアル方面の意味でなくても、疲れていれば、手に力が入らないし、元気いっぱい、丁寧に書く! と思えば、字はおおらかに、丁寧に書けるもの。
その程度のことなんだけど。
文通相手の字が明らかに変だった。
手紙の内容(文面)もかなり殺伐としている。
言葉遣いや、言い回しに気が回らないほどの何かがあったのかもしれない。
「失礼ながら」と前書きがあったけど、私に対してかなり失礼で、正直「え? 目の前にいない人間に書く言葉?」と思うようなことが書いてあった。
そんな人ではないと知っているから、本当に驚いたし、冗談にしては悪趣味が過ぎて、どうしたのかなと、腹を立てるより首を捻る。
いつものおおらかで、ゆったりした間隔で書かれている字も、つめつめのギチギチ。
字自体も小さくて、薄い(鉛筆で書いてる)。
やっぱり、なにかあったのか。今具合の悪いところがあるのか。
私は、文通相手のメールアドレスもLINEも知らない。
ものを送りあったりする時のために自宅の電話番号らしきものは、こっそりメモらせてもらったけど、実際電話として使ったことは、私からはない。電話したことがあると言っても、もう20年は前になるかも。
大丈夫かな。
手紙という手段でしかやり取りをしないという、暗黙のルールの中で、文通相手の体調が心配だ。
メールやLINEという文明の利器が面倒くさい時もあるし、こういう時はないともどかしかったりする。
とはいえ、メールアドレスやLINEを知っていても、連絡を取ることはないだろうなとは思う。そういうデジタルな手段がお互い好きではないから。
不調な時。というか、誰しも体調がいい時も悪い時もある。私もどん底の中にいるときもあるし。そんな時に、誰かに手紙を書くというのは、結構シビアだということを私は知っている。
自分の苦痛や辛い気持ち、状態をそのまま書くのがはばかられても手紙を書きたい時。
内容は当然、遠慮しながらも、殺伐とするし、相手を思いやる気持ちも、普段ほど行き届かない。勢い、毒を吐くことにつながったり、ネガティブをこれでもかこれでもかと積み上げる手紙になったりする。
後で大抵後悔する。
文通相手の今は、そんな時なのかなと思うしかない。
怒りというか、苛立ちというか、むしゃくしゃを八つ当たりされたような形だけど、それほど文通相手の気持ちが逼迫しているということなのだろうと思う。
どんな風に返事を書こうか。
どんな言葉だったら、届く?
どんな言葉だったら、楽しく、心穏やかに読んでもらえる?
目に見えない相手、会ったこともない相手、恐らく不調である相手。
私はカウンセラーでもないし、臨床心理士でもないし、できた人間でもない。
文通相手のことも、本当はよく知らない、分かっていないのかもしれない。
そんなふうに否定的なことばかり書かないで。と否定することはストレートで一番簡単。
でもそれだと、文通相手を傷つける。
苦しいね、辛いね。と安易に同調することは、目に見えてないくせに、分かったようなことを! と腹が立って、お互いが嫌になるかも。
全く関係のないことを、自分の都合だけで書き送るという方法もある。
でも私はそれはしたくない。
どうしようかなぁ。
何を書けば正解というものでもないし、何かを書いたら絶対ダメということもない。
書き方と内容は影響し合うから、どんなことも書き方次第ということもある。
難しい。
ひとつ確かなことは、私は文通相手の様子が心配で、大丈夫かなと思っていること。
それを伝えるかどうかもまた選択のひとつ。書かないということもありえる。
どうしたものかなぁというのが、手紙をもらって以来の悩み。
私は文通相手の親しい人でこれからもいたいし、文通相手にとって私がそうであったら、嬉しい。
心配の仕方や、言葉のやり取りは一通りではないから、私は手紙のやりとりをするのをやめられない。
自分のやり方が正しいのか悩むより、やりたいように、気持ちを込めて返事を書くしかない。
それで気持ちが繋がりあえたら、いいよなぁ。
【今日の英作文】
「もう1年が終わります。時が経つのは早いものです。」
The year is almost over. Time goes by fast.
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