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『細雪』

今、谷崎潤一郎『細雪』を読んでいる。

まだ最初の方しか読めていないけど、読んだ感想。

登場人物が多くて、誰が誰のことやら、一瞬分からない。でも人間関係の複雑さは、物語の分厚い面白さに繋がるときもあるので、期待。登場人物が多いだけで、中身がワンパターンという小説もなくはないけど。谷崎文豪に限ればそういうこともなさそう。期待。

そして、谷崎潤一郎のよく言われることではあるけども、一文が長い!!

「、」で続く文章が、どこまでもどこまでも並ぶ。谷崎潤一郎作品で一番長い文章は、きっと国文学者の人達が、計算していることだろうけども。一文が長い、と思いつつ、長さで読みにくくさせることなく、読ませてしまうのは、すごいことだと思った。さすが長く世に愛される文豪。

私は一度、とにかく長い一文を書いてみたくて、A4の紙に12ポイントくらいの字で一文を書いたことがある。

書いてはみたけど、そうそううまくいくわけもなく、一文が長いのに、さらに長い長い文章が続くと、我ながら飽きてくる。ただ長いだけで、その長さに意味付けがないから、苦しいねえと思う。

息継ぎはどこでするんだろうと、考えながら『細雪』を読んでいると、何とも気持ちのよいところに、「、」や「。」がある。

こういうことができるから小説家ってすごいなぁ、と思う。そういう気持ちで書いているのだろうし、計算しなくても、自然と身につくまで鍛錬するんだろう。

小説家は芸術家だ。でも、芸術には、たゆまぬ訓練と追求がないと、成り立たない。

センスや才能だけじゃ、きっと頭打ちされてしまう。潰れてしまう。

黒柳徹子さんのお父さんの言葉に、「芸術には、技術と哲学と思いがなければならない」というものがあって、この本を読みながらその言葉を思い出した。

それから、私は関西の人間ではないので、関西弁の地域による違いが、細かくはよく知らないのだけど、『細雪』の登場人物たちの言葉は、なんだかのんびりして、はんなりして素敵だなと思った。人物たちの気位の高い生まれの問題なのかもしれないけど。

長々とした一文に、のんびりしたような雰囲気のある関西弁。このミックスがとても面白い。

最後まで読めるといいな。

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