ずっと独身でいるつもり?を観た話。
※ネタバレにならないように気をつけたつもりですが、
気にする方は読まない方がいいと思います。
ずっと独身でいるつもり?
を、みてきた。
ひとりで。新宿まで行って。
田中みな実さんがもともと好きなので、
彼女の最初の主演映画だから、
特に何の前情報ももたずとも、当たり前のように観に行くつもりではいたけど、
田中みな実さんが、彼女とほぼ同世代の独身女性を演じると聞いて、
純粋に、どんな内容になるのかみてみたいと思った。
そうでなければ上映館の少なさに挫折して、
後日アマプラで見ていただろう。
私は10代の最後から20代へ差し掛かる貴重な四年間を、
女ばかりの社会で生きていた。
それも、ある程度レベルの高い教育やステータスを、享受してきた女しかいない環境だ。
なおかつそのうちの8割以上が、
男社会が根強く残る建設業界に進むような、そんな社会だった。
卒業生の先輩たちは、よほどガッツがあって、能力の高い人を除いて、
出産を機に一度前線を退き、その後細々とフリーで仕事をするひと、技能を生かして派遣社員として働くひとなんかがやはり多くて、
これだけビジョンを持って心身を削って学んでも、そんなもんかと思っていた記憶がある。
そんな人間だからかもしれないが、
とっくに多くの人の中で消化された、
一昔前の話だと思っていたようなトピックが、
たくさんたくさん出てきて
とにかく胸糞がわるい前半。(これは褒めてる)
結婚すること、
子供を産むタイミングで仕事はきっぱり辞めること、
女の子は愛嬌があればそんなに上を目指す必要なんてないと言う思想、
女性だからという理由で、手に職をつけてほしいと願う親の思い。
はたまた、
自分以外に替えが効かないような、専門的で、創造的な仕事をすること。
ひとりで生きていく覚悟を持つこと。
ひとりでマンションを持つこと。
ひとりで犬を飼うこと。
女子大ならでは、でもないと思うが、
学生時代に一度は頭をよぎる
そういったトピックの数々
学生時代の友人にもいろんな子がいるから、
たくさんの選択肢の中から、どれとどれとを選ぶかは、
みんなそれぞれだったけれど。
…どうなんだろう。
この映画は、
私の周りの女たちがみて、みんなに刺さるものなのだろうか。
私にも刺さる部分はあった。
そうだよね、辛いよね、放り出したくなるよね、
と共感するシーンも山ほどあった。
ただ、いまの私だから
なんとなく、ちゃんと恋愛して、仕事して、人間生活を送っている私だから、
安心して見れた。
他者の話として、ある種のファンタジーとして、俯瞰して見ることができた。
たぶんおそらく、2年前の
そしてそれよりもっと前の
わけもなく寂しくて、バイト終わりの午前2時に、家で缶チューハイを煽りながらめそめそ泣いてた20歳の私や
これから誰にも愛を与えられず、自分から与えることもなく(推しを除いて)
一人ぼっちで処女のまま死んでいくと確信していた19歳の私や
ひとりよがりで、恋愛ごっこ、にもならないような狭くて浅い人間関係に甘んじていた18歳の私
それぞれの私がこの映画を見ていたら
思い出したくないくらいトラウマになっていたかもしれない。
映画の中の彼女たちの生きる世界が、リアルなものかどうかはわからない。
でも、
それぞれが、それぞれにもつ感情は
どの立場にいても、リアルでえぐくて、見ている側に肉薄として訴えかけてくる。
その訴えは、見ている人が今おかれている場所が、憧れている世界に遠ければ遠いほど、
その憧れの気持ちが強ければ強いほど、
深く、深く、刺さって、中に食い込んでくるような、そんなもののような気がしてならない。
なんだか、うまくまとまらない。
劇場で見てからかなりの時間が経ってしまった。もう一度、アマプラで見てこようとおもう。