#7 恋も仕事も追われるより追いたい派
僕が社会人になって仕事に慣れないうちは特に、日々降ってくるタスクにストレスをよく感じていました。
学生時代にやりたくないことは極力やらずに生きてきたことも災いしていたかと思います。
やるべきことがたくさんある状態になると、気持ちに余裕が無くなり、頭が働かず、創造的な思考ができなくなります。
本当は時間をかけたい資料を作っていても、「あれやらなきゃな。。」という雑念が脳裏をよぎってしまい、やっつけ仕事となり、思うような結果もなかなか出ません。
面倒なことからはできるだけ逃げたいので、後回しにしているうちに新しい仕事が増え、あっという間にキャパオーバー。なんてことは自分の中では結構大きな悩みでした。
基本的なタスク管理や、仕事の時短術的なものも実践してみましたが、心の余裕はなかなか得られません。
いくら処理能力を上げても、仕事は減るどころかむしろどんどん増えていきました。
そんな中で気づいたのは、そもそも仕事は終わらないものなんだということでした。
それもそのはず、営業のようなライン部門は仕事を獲得するのが仕事なので、やればやるほど仕事が増えるのは当たり前なんですね。
また、多くの仕事はそれ単体で存在することはなく、相互に関わり合いながら連続的に発生するものです。
仕事の前提条件となる取引先や社内の状況なども流動的になりがちです。(昨日までと話が違う!みたいなことって日常茶飯事ですよね。。)
そのため、仕事を終わらせようとする思考そのものが間違いでした。
まだ終わっていないものがあれもこれもある!と追われていた自分にとって、その気づきは気持ちを一気に楽にしてくれました。
余談ですが、心理学の言葉にツァイガルニク効果というものがあります。(広告手法としてよく用いられます。)
ツァイガルニク効果:人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象のこと
これには良し悪しがあり、先伸ばしにしがちな事柄に対して、最初の一歩だけ手をつけることで最後までやり遂げたくなるという効用もありますが、
中断されているものが多すぎると過度にストレスを感じてしまう悪影響もあります。僕の場合は無自覚に後者の状況に陥っていました。
それからというもの、ストレスから避けるために注意しているのは、仕事に追われるのではなく自ら追いかけるスタンスでいることでした。
営業系であれば売上や利益、スタッフ部門であれば納期やコストなど、目標数字はつきものです。
仕事をこなすスピードを早めたところで、この数字に追われている限り、しんどい気持ちは一向に解決されません。
目に見える仕事だけを場当たり的にこなしているから、先が見えず辛くなっていくんですね。
そうやって追われることはやめ、課された数字に対する道筋を細分化し、必要な仕事を洗い出し、
「これを終えたらあの仕事が追加で必要になるかもな」というのを数ヶ月後、1年後まで見据えておくことで、おおよそのやるべきことが浮かび上がってきます。
急な仕事が入って予定が狂ったな。。と感じた時は、予測できなかったことだろうか?と考えるようにします。
仕事が顕在化する前に、ある程度の心構えと準備を済ませておくことで、本当に予測不可能だったものにだけ時間と気力を割けるようになりました。
そんなことに気づけたのも、キャパオーバーにさせてもらえた環境のお陰だなと思っています。
僕の性格上、やらされ仕事は何年経っても慣れる気がしません。
どうせなら楽しく働けるよう、仕事を追いかけ続けたいものです。