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#63 「断られてからが営業」とは言うものの、実際どう立ち向かったらいいの?

営業職として、テレアポや新規開拓、ルート営業の経験を経て、「お客様に断られる」ということには慣れてしまった僕ですが、

新人時代は、どんな心構えで受け止めたらよいか?断られてからが営業って難しくない?と戸惑うことが多かったので、
「具体的にどう立ち向かっていたのか」ということについて書いてみようと思います。

断り文句に隠れた相手の本音を想像する。

一口に、「今は買う気は無いから。」という理由で断られたとしても、その裏腹に隠れた本音は様々です。

<例>
・単純に忙しい(考えるのが面倒、優先順位が下がっている)。
・買うメリットがいまいち腑に落ちていない。
・購入することで生じるリスクへの懸念が払しょくされていない。
・他にもっといいサービスがあるかもしれない(気の済むまで比較検討したい)。
・売り込まれて、負けた気がする。

断ることを決めたお客様には、本音を営業マンに正直に話す理由はありません。
ばつの悪い思いをしないよう、「体のいい断り文句」を引っ張り出して距離を置こうとします。

逆に言うと、こちらの提案を聞く価値を正しく理解いただき、無理に売り込まず上手に決断を仰ぐことができれば、受け入れてもらえる可能性は十分あるのです。

皆さんも、一度「必要無いです。」と営業マンから断った商品でも、
後日食事した友人達が皆同じものを買っていて、「これおすすめなんだよ~」と言われたら、「実はちょっといいのかも?」と思いそうな気がしませんか?

「断る」という行為は、一生覆らない拒絶ではなく、懸念の払しょくさえできればいくらでも挽回可能なもの。

これを理解するだけで、拒絶に対する心理的ダメージは和らぎ、適切な切り返しを検討できるようになります。

相手の拒絶をしれっと受け入れ、優先順位をつけてあげる。

断り文句を言われたときに、最も注意すべきなのは、
「そうですか…」と、困ったそぶりを見せないこと。

営業マンがダメージを食らうことにより、
「あなたの断り文句は、断るにふさわしい理由です。」ということを認めるメッセージになってしまいます。

本音でもない断り文句を真に受け、相手にとってのメリットをきちんと訴求できなければ、営業マンとして失礼な行為とも言えます。

断り文句への返答の一言めは、
さも「そう言うと思ってました!」という雰囲気で、相手の拒絶を快く受け止めてあげる
ことが大切です。

<例>
「いやあわかります。私も〇〇さんの立場だったら絶対にそう言うと思います。」
「私が今お付き合いしているお客さまも、やっぱり最初は皆さま、そう仰ってたんですよ。」
「ご認識の通り、決して簡単な話ではないので、無理に薦める気は無いです。」

そしてその上で、決断できない本音の理由を一緒に言語化し、
・決断して購入するメリット(サービスにより手に入れられる価値、未来の姿)
・決断を妨げる懸念要因(時間や金銭的負担、失敗するリスク)
2つの優先順位を整理してあげることが大切になります。

例えば、ジムに通いたいけど金銭面的な懸念があるお客様に対しては、
「確かにお金のことは大切なので、簡単に決められることではないと思います。
だからこそ優先順位をつけて冷静に検討いただきたいのですが、
〇〇さんにとって、コストをできるだけ抑えたいというお気持ちと、痩せたい!というお気持ち、現状どちらの方が大きいでしょうか?
と聞いてみる。といった具合です。

よくありがちな断り文句はこちらから先出しする。

断り文句で一番困るのが、クロージングの段階になって、
「決済権が無くて…」「予算が足りていなくて…」などと、今まで話題に出てなかった懸念が急に出てきてしまうことです。
新人営業マンからすると、「そんなの早く言ってくださいよ!」と言いたくなる場面です。

「あるある」の断り文句としては、
・決済権や予算が無い。
・その商材特有のデメリットを感じる。
・他社と比較検討したい。
・今は必要性を感じない。
等といったものがありますが、これらの懸念を相手から言われる前に先出ししてしまうと便利です。

サービス特性上、初期費用が高いものを売るのであれば、
「このサービスの初期導入コストを高いと感じられる方もたまにいらっしゃるんですが、〇〇様の場合は問題なさそうですか?」
というように、簡単なテストクロージングをしておくことで、

「どう断ろうかな…」という気持ちから、「一旦真剣に検討してみるか!」という気持ちにシフトしていただけるようになります。

売れる営業マンほど、これらクニックを息をするようにできているように感じます。
基礎的な部分は、真似さえすれば誰でも一定成果が上がる点にもなるので、参考になればと思います。

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