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#57 法人営業経験が、キャリアアドバイザーの業務に役立っているなと思うこと

1社目にて3年弱法人営業を経験した後に、現在はキャリアアドバイザーとして働いている僕ですが、
仕事をしていく中で「法人営業経験が無ければ、こんなに成果が出なかっただろうな」と思うことが多々あります。
有形商材の法人営業は、異業種である人材業界でのキャリア支援者としてどう役立るのか?という観点で参考になれば嬉しいなと思います。

目標数値からの逆算に基づいて行動計画を組む習慣

事業会社の法人営業というのは、管理すべき数字が非常に多い仕事です。
最終的な目標営業利益を達成するためには、逆算に基づいた売上総利益、売上、商談件数、販管費の使い道やタイミングを常に管理し、計画的な営業活動を行う必要があります。

また、初回商談から売上発生までのフローも案件によってバラバラであることから、
複数のプロジェクトを同時に管理し、不測の事態が起きた時にも損失を取り返す対策を新たに考案し、予算達成に向けて帳尻を合わせていくという動きをしてきました。

キャリアアドバイザーの仕事もこの要素が大きく、
担当する求職者の方が何人いて、それぞれどういうフェーズなのか?どのタイミングで転職決定が発生しそうか?と先を見据えて計画を立てる能力が求められます。

求職者の方からすると、「個人のキャリアを商品として管理しやがって!」と、気を悪くされる方もいらっしゃるかと思いますが、
個人的にはそれは逆だと考えていて、計画性の無い行き当たりばったりなアドバイザーほど、月末や期末に数字に追われ、求職者に十分な検討期間を与えないまま転職先に押し込めようとしがちです。

目の前の求職者ができるだけ理想的な転職を実現するためにも、自身が売上に追われないよう、余裕をもって先々を見据えた計画性が肝になるのがこの仕事なのです。

ロジックに基づいたキャリアの提案

個人営業よりも、法人営業において大切になる要素として「数字的なメリットの情報整理、提案」があります。

前職では、提案する得意先の社内稟議をスムーズに進めるため、提案の根拠が明確になるような数字をとりまとめ、できるだけわかりやすく整理した上で、日々の商談に臨んでいました。

キャリアアドバイザーとしては、数値に基づく提案はあまりしていないのですが、
感情論に引っ張られすぎず、複数の選択肢に対して、
「〇〇はこういうメリットがあり、△△はこういうデメリットがあります。
あなたの軸に沿うと〇〇が適切と思いますが、いかがでしょうか?」

と、目の前の求職者の思考を、悩んでいる状態から、考える状態に切り替えていくことで、意思決定のサポートができています。

同業のキャリアアドバイザーの中には、相手の感情面にとことん寄り添った傾聴を大事にし、一緒に悩むことができる人もいるのですが、
それはそれで心強い一面もある一方で、必要に応じて敢えて一定の距離感を作り、論理的な話し合いをしていくことで、後悔の無い決断の後押しができるのではと個人的には思っています。

キャリア支援とビジネスとのバランス感覚

法人営業として、得意先の経験豊富なベテランの方々との交渉をする中で、
・お客様が事業や組織を動かす上で障壁になり得る要素は何か?
・我が社はビジネスパートナーとして、どの障壁を取り除けるだろうか?

をとことん想像するという感覚を身につけることができました。

そのため現職でも、
・相手の立場をとことん想像しながら、
・できるだけ同じ視座でコミュニケーションをとり、
・相手が自分に何を求めているか?を把握し、
・プロをしてロジックに基づいた提案を行う
ことで、信頼関係をスムーズに作ることができている実感があります。
※最低限、財務諸表を読めるというのも、必要な心掛けの1つだと思います。

キャリア支援者という形での関わり方であっても、それは決して上下関係ではなく、対等なビジネスパートナーのような関係性が理想的だと思っています。

以上が、今もなお活かせている法人営業経験なのですが、偶然半分、狙い通り半分といった具合です。
こうやって考えていくと、今取り組んでいることの何が今後に役立つかどうかがわからないのが面白いところです。

定期的に過去のキャリアと今の仕事でのやり方とを振り返ってみると、伸ばすべき強みが見えてくるので、皆さんも是非一度言語化してみてはいかがでしょうか。

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