文学フリマで本を売るにはこうすべき!【宇路野STYLE】
宇路野 朧です。
先日行われた「文学フリマ東京35」に行ってきました。すごい新しい刺激をたくさん感じました。
また、来年11月には同地で文学フリマ東京37が開催されます。そこに! 僕は出店することを狙っています。
なので、文フリ35の視察も踏まえ、何をしたら本を買ってもらえるのか分析して、ここに共有することにしました。結構自分ではよく出来た記事ではあると思います。
そもそも僕にとって文学フリマとはなんなのか
本を買ってもらう場所です。他のなんでもありません。
ですが、決して利益を求める場所ではないです。これを前提としてここから先記事を綴っていきますので、「利益を出したいッ!」という方にとっては少し趣向が違う記事になる可能性がありますのでご理解願います。
文学フリマにて、僕が狙っているパターンは大きく分けて2つです。
①自分のブースに来てもらう→見た目や書籍、サービスなどでおもてなし→書籍を購入→名前を覚えてもらう
②自分のブース付近に一度来てもらう→ビラ配りなどで名前を覚えてもらう→名前に親近感を持っていただく→何かの拍子でネット上かなんかの作品に触れて貰う
…そう、ざっくり大雑把に言えば名前を覚えてもらうことと作品に触れて貰うことが狙いです。
長々と前置きを綴ってしまいましたが、ここから先は「ならどうすれば目的を達成できるのか」を分析していきたいと思います。
本を売るためのステップ
まず本を売るための前段階の話をしましょう。
本を売るためには、自分のブース(の近く)に来てもらわなければなりません! このステップを踏むことでようやく本を手に取ってもらう〜云々というスタートラインに立てるからです。
ならどうすればいいのか。
ブースの立地
まずはコレを確認しましょう。入り口近くは問答無用で目に入ります。ですが、だからこそ汚いブースだったりするとスルーされがちです。まぁここら辺は下記参照、なので割愛。
また、端っこは後ろが壁に囲まれているのでのびのびとできます。コレは、多少ストレスが減るということであり、短くても五時間弱程度売り子をしなければ行けない出店者にとって天国のような環境でしょう。
……といっても! この問題は運まかせなので! 天に祈りましょう!
宣伝は効果があるものを
宣伝でーす、と言ってビラと試し読みのセットを配っている人がいますが、正直あんま意味がないと思います。
わざわざ配られたもの、読まないんですよ。だって周りにもっと面白そうなものがたくさんあるので! なのでビラ配りなどは長ったらしく文字を綴らない。コレが鉄則だと僕は考えています。
必要最低限の文字「(例)G-234の宇路野 朧です。これこれこんなのを売ってます!」だけでいいんです。でも、コレだけだと味気ないので、ちゃんと読んでくれる人ために簡単な余興を入れてもいいと思います。でもクロスワードなどはダメです。時間がかかるので。すぐにパパッとできるようなものが一番です。
そして、視覚だけに頼らない。コレも大事で、やっぱり文学フリマの会場で役に立つ五感はもう一種類あって…聴覚です。ビラを配るときにはビラの内容を口頭でも伝えながら配ることが大事です。
と長々と書きましたが、大半がムダになること前提でなら試し読みを付属させていていても全然いいと思います。なぜなら絶対に百人に何人かは読み込んでくださる方がいらっしゃるから、そういった方達のために、と考えて試し読みをつけるのは正解案だと思います。
立って宣伝しよう
まだ、言葉で「こんにちはー」や「よろしくお願いしまーす」、「こんなの売ってまーす」て言うだけならいいんですよ。まだ。
ただ…座りながら「無料配布物でーす、よければ取ってってくださーい」。コレだけはダメです! 絶対にやめてください! なぜなら気軽にとれないからです。取ったら、少なからずそのブースに興味があるんだな…と出店者に思われるのが怖くて、お客さんは貰いづらい。
そういったものを渡したい時は必ず立って、にこやかに、「少し無理矢理でもいい」という心持ちで押し付けるように渡すこと。といっても本当に押しつけちゃダメで、心持ちの問題です。コレはティッシュ配りのお姉さんが少し強引に押しつけてくるから貰っちゃうことがあるようなものです。逆にティッシュを手で持ってて「欲しい人は持ってってくださーい」ってスタイルだったら貰いづらいよねってことでもあります。
ブースの見た目
上記、いろいろな努力をしたり、お客様がぶらぶらフリマ内を歩いて来て、ようやく自分のブースの近くに来てもらえた。でも。自分のブースに目をかけてもらえなかったらその時点でお客さんは離れてしまいます。明確な目的もなく、ただ歩いてきた人は一つのブースに2秒しか時間をかけません。
ここで必要なのは他ブースと格差をつけること。
周りから一線を引かないとムダ!
小綺麗にするために、テーブルクロスを引く。自分の荷物は見せない。もはや、コレらは常識として認識されています。もちろん、コレらの工夫をしていない人がイレギュラーだとは言いませんが、今更このような工夫をしたところで別に目立ちません。ただ目に入ったときに好感度が少し上がるだけです。
目立たないと、いくらいい作品だったとしても売れません。だそもそも目に止まらないから。
こんな方がいました。ただテーブルの上に開いたノートが置いてあって、タイトルと値段だけが書いてある。ノートの重石として自分が売っている本を置いている。ただそれだけ。それなのに僕の目に止まったんですよ。The simple、もはや質素、手抜き感満載なのに。コレはなぜか。それは逆に周りの人が頑張っていたから。一つだけ異質感があったんですよ。言い換えると目立っていたんですよ、逆に。
コレは、どんなやり方でもいいから周りとは一風変わったブースにすると目立つ、ということの証明になります。
目立つということは目に留まる回数が増えるということで、買ってもらえるチャンスも増えます。
…だったら目立った方がいいじゃん。
デカかったら、目立つ
じゃあどうやったら目立つのーー。この答えは簡単で、デカかったら目立ちます。圧倒的に。
高い登りや、背景に幕を垂らす。コレらの工夫は高さで目立つアイデアの一部です。
下に記事を載せる横山 黎さんという方は文フリ東京35に出店した方で、背景に幕をたらす、というアイデアで顧客を獲得されていました。…できればこの記事を最後まで読んでいってから下の記事に飛んでいただけたら幸いです。(^ ^)
統一感があったらかっこいい
統一感のあるブースは見ていた清々しいです、気持ちいいと言ったらいいのでしょうか。ただそれだけですが、好感度というのも重要な要素だと思いますので。
強い色は目立つ
コレ、結構大事なことだと思います。上の「統一感」と繋がるんですけど、強い色である「黒」でブースを統一したりすると目をひきます。
と言っても、この選色が重要で、作品の表紙や世界観に合った色じゃないと、視覚情報がチグハグしてしまうので…。まぁ、センスです。
一色で統一すると重く感じる場合があります。二色あたりで締める、と言うアイデアも頭に入れておくのがいいかと思います。
あと、強すぎる色も周りの世界を壊すのでやめた方がいいと思います。黄色と黒とかもう危険色なんで、そういうのは周りを含め台無しにするので遠慮するのも大人なのかなぁと。
下手な絵は逆効果!
要注意です! 結構上りなどにイラストを載せていらっしゃる方が多いのですがその絵がまぁお上手ではないことも多々あります。コレは、好感度をただただ率直に下げてしまうことにつながります。
上手な絵やデザインの上りは目に入ると興味をそそられますが、下手な絵はマイナスな効果しかありません。紙一重です、注意してください。
イラストを載せる場合は、絵が上手い知人に頼むか、プロに依頼するか、それとも自分で描くか。自分で描くなら、見る目がある他の人に見せましょう。自分の作品だと愛情補正がかかってしまって正確に判別できません。
しっかり吟味することをお薦めします。
ブースの机の上は…
ブースの机の上のものは、結構質素だったり充実してたりして、そこで個性を出す人もいる。やっぱり結構売り上げに影響してくると思います。
そんな机の上のアイテムたちについての章です。
試し読みによって本の売り上げは変わりません
結構いろんな方が試し読みを机の上に置かれてらっしゃいますが、正直、それ無駄じゃね? と思いながら文フリ内を歩いていました。
前言撤回、決してムダではないのですが、試し読みによる売上の増加はあまり望めないかなーっと言うのが本音です。
試し読みというのは、「買う」気持ちが少しでもあるから読むのであって、買わない人に向かって「是非読んでいってくださーい」っていっても別に読まないんですよ。
「試し読み可能」というのは強く伝えるものではなく(口とかで激しくアピールしたりするのは × )、紙か何かに書いておいて気付く人には気づいてもらえる。それぐらいでいいと僕は思います。
本は立てる!
コレ、結構よく言われてることなんですけど、でもやっぱり実践してる人が少ないのと、実践してる人はやっぱり見た目が小綺麗だし見やすかったんであげておきます。
スタンドはあった方が絶対にいい。表紙が見やすくなるのと、若干高くなるので手に取りやすくなる。という二つの効果が望めます。アピールしたい本、そうでない本も立てた方が得策です。
値段は見やすいところに
文フリ内を歩いていると、平たく言ってイケてる店が何軒かあります。本も面白そうで、外見も綺麗だったりするブースのことですね。そういうブースを見つけるとつい財布に手を伸ばしてしまう…んですが、結局買わないことが多いんです。値段が分からないから。まぁ見知らぬ方の著作に出すならだいたい500円ぐらい(個人的には)なんですが、値段が見えるところにないと「1000円」の可能性もあるので、結構買いづらいです。本を手に取って、値段を聞いたら予想以上だったりしたときに、「やっぱりやめます」なんて基本言えないので、値段は分かりやすいところにおかないと売り上げは下がる一方です。
POPは作ることをお勧めします
POP、自分の作品を自分で文字に起こし、自分で紹介するもののことです(注:この記事ではそういう解釈でお願いします)。
POPを作ることで簡単あらすじやジャンル、タイトルや売り、さまざまな情報を瞬時に相手に伝えることができます。
SHIGE姐さんという方が具体的にどのようなPOPを作るといいのか、ノウハウを記事にまとめられていましたので、記事を貼っておきます。
本に魅力を
どれだけ客を呼び込んでも本が魅力的でなかったら誰も本は買いません。どれだけ本を魅せるか、が必要になってきます。
コストパフォーマンスを最高に
本は安く! 人間300円だったら「まぁ買ってもいっか」と思う物です。
値段も魅力のうちに入ります!
表紙にはコンセプトを
インパクト重視のものか、可愛い系か、それともシュール系か、それとも掛け合わせか。コンセプトを持った表紙にしましょう。表紙はこだわり抜いてなんぼです。と言ってもコレは各人のセンスの問題なのでこの記事でとやかく言えることではありません。
が、文庫の裏表紙系の表紙は絶対にやめましょう。魅力が薄いと感じざるをえません。
終わりに
自分の本に愛情を、お客様には愛想を振り撒け。
やっぱり、自分の子は本と同じ…間違えた、自分の本は子供と同じ。愛情を持ってお客様には送り出しましょう。娘の結婚式の父親の心境でしょうか。経験したことないけど。でもその場合、娘はめっちゃたくさんいることになります。しかも一日でめっちゃ巣立っていきます。うわぁ…ご祝儀でいくらかかるだろう…。
話がそれました。
自分の本には、愛情と、そして自信を持って欲しいです。そうしたら、自然と愛想が生まれて、お客様の目にも止まると思いますので。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
文学フリマ東京37にてお待ちできるように、頑張ります! ぜひ応援よろしくお願いします!
宇路野 朧