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無意識の影響

はじめに

朝、出掛ける前にテレビ番組などで、よく今日の占いのコーナーがある。今日のラッキーカラーは、「赤です。」と言われると、必要以上に赤を気にして、いつも以上に赤に遭遇するような気分になる。
この現象を、カラーバス効果という。

カラーバス効果とは、ある特定のものを意識し始めると関連情報が自然と目に留まりやすくなる心理効果を指します。

カラーバス効果は、色に限定した効果ではなく。意識した特定の情報に関連する、視覚・聴覚などから得られる情報を無意識のうちに取捨選択して認識する、という効果である。

つまり「人は自分が見たいものに意識を向けている傾向がある」と言える。

カラーバスに似ている現象

カラーバス効果が、自分の意識を助長させる効果だとすれば、その意識の正当性を強化する現象も存在する。それはエコーチャンバー現象という現象である。

エコーチェンバー現象とは、ソーシャルメディアを利用する際に、自分の興味関心にしたがってユーザーをフォローする結果、自分と似た意見ばかり集まってしまう状況のことである。

エコーチャンバーの要因

そして、エコーチェンバー現象を発生させる心理的な要因として「確証バイアス」がある。確証バイアスは、認知バイアスの一種である。自分の仮説や信念を支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視してしまう傾向のことだ。そして自分の意識を信念に変える働きがあるのだ。

個人から集団へ

日本は古くから共同体の文化であり、同調の意識が強い民族である。個人がカラーバス効果やエコーチャンバー現象を経て、同調する集団を求めだす。そしてホモフィリーと移行していく。

ホモフィリーとは『人は同じような属性をもった人に親近感を持ちやすく、仲良くなりやすい』ことを指し、ソーシャルネットワーク研究の考え方の一つである。

これまでの流れは、今の日本における状況と類似している傾向にある。

まとめ

人間は無意識のうちに、何かを意識して増長させている。「この無意識のうち」というのが、1番の問題である。知らず知らずのうちに自分が、その環境に組み込まれているのだ。その原因は、スマホやパソコンの検索によるものである。アルゴリズムによって検索結果や情報の表示を最適化していく。閲覧や発信を繰り返すうち、次第に表示や「おすすめ」される情報が自分が「好むであろう」ものに占領されていく。そして、いつの間にか、偏った思想になっていく。この流れは極端な例ではあるが、現代で起きている現象である。

意識と無意識を認識しながら瞑想する行為の反対の、無意識に意識を変換されている現象を意識することが、情報化社会では大切である。

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