つながり活動〜伝えようという気持ちでつながる〜
今週も有り難きケアマネ研修。
今日のグループワークの班の中のお一人に、
おそらく70代であろう（間違えていたらごめんなさい）
女性の方がおられた。
口という字を描くように長テーブルが置かれ、
２人ずつそれぞれの辺に座る形。
私はその女性と同じ長テーブルに座っていた。
今回は「 入退院時の医療との連携 」がテーマ。
医療職との連携について、たくさんの課題を感じていた私達は、
それぞれに色んな思いを抱え、
議論が熱くなっていた。
司会の方が1人ずつ丁寧に話を引き出してくださり、
私の順番の後に、
お隣の70代であろう女性にスポットライトが当たった。
「 あの〜、私は〜〜〜〜として〜〜〜〜〜〜〜〜をしていたのだけれど、
〜〜〜〜〜なり、〜〜〜〜〜〜だと思います〜〜 」
声がものすごく小さい。
同じ班のメンバー全員が、
「 ん？ 」
と、椅子から腰を少し上げ、
全員が前屈みになり話を聞き取ろうと努力する。
司会の方が、
「 すいません、もう一度お願いします 」
と70代の女性に優しく、申し訳なさそうに伝える。
すると、
少しニコッと笑った後に、
もう一度70代であろう女性がお話しくださる
「 初めは〜〜〜〜〜〜として、〜〜〜〜〜〜〜〜けれども、
やっぱり〜〜〜〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜だと思います。」
なんとか聞き取ろうと周りの人たちは耳を澄ませ、
椅子から腰を上げ、前のめりになりながら努力するが、
どうしても全てを聞き取ることが出来ない。
次の瞬間、
同じ班の全員が見事なタイミングで、
70代であろう女性の隣に座っている、
この私に視線を送ってきた。
「 えっ 」。
「 あっ 」。
「 初めは医療との連携を積極的にするために、情報を自分から取りに
病院へ行っていたのだけれど、やっぱりコロナ禍でそれも難しく
なってきて情報が取りにくくなっている・・・と言うことですかね・・・ 」
と付け加えた。
というか、通訳した感じになった。
その後のグループワークは順調に進んだが、
私が通訳みたいなことをしてしまったことが、
ちょっと気になったので、
休憩時間に70代であろう女性に話しかけた。
「 すいません、なんか私が発言に対して付け加えたような形に
してしまいまして・・・ 」
と伝えると、
「 あっ、大丈夫です。よく聞こえないって言われるんです。
喉が渇いているから余計に声が出ないような気がするので
ジュースを買ってきます 」
と、だいぶ横に接近した私に小さな声で話して下さった。
その方が廊下にある自動販売機から戻って来られると、
笑顔で私の方を見ながら着席された。
机の上に置かれた飲み物は、
「 R E A L G O L D 」。
シャキッと元気！エナジードリンク。
ロイヤルゼリーエキス。
と書いてある飲み物。
缶の蓋を開けると、
70代であろう女性は、
割と一気に飲み干された。
静かに心の炎を燃やしているように受け取れた。
グループワークが再開し、
私の発言の次に、
エナジードリンクを補給した、
70代であろう女性が発言した。
「 あの、〜〜〜〜〜〜〜〜ですけど、私は〜〜〜〜〜〜〜
で、〜〜〜〜〜〜〜だろうとおもいます〜〜〜〜〜。 」
すぐには補給されたエナジーが声に届いている感じではなかったが、
伝えようという気持ちのエナジーはとても感じた。
そんな様子が伝わってくるからか、
班全員がなんとか聞き取ろうとする姿勢を忘れず、
私に通訳のような役割を求めることも忘れなかった。
「 伝えようという気持ちでつながる 」。
自然と努力する周りの方の温かさには感動した。
誰一人、聞こえづらいことに文句など言うことはなかった。
もちろん、70代であろう女性も、笑顔でとても前向きに参加されていた。
そういう状況をみんなで乗り越えたからなのか、
チームとしての意見がまとまった時は、
なぜかテーブル内で拍手が起こったぐらい、
みんなが嬉しい気持ちになっていた。
みんなが1つになって、つながりが深まったような感覚。
たとえ何かの理由で相手の話が聞こえずらくても、
つながることを簡単に諦めることはないのだ。
伝える方法や聞き取る方法は色々と考えられる。
何かの工夫と、
エナジードリンクのような前向きな気持ちがあれば、
なんとかなる。
憐れみなどとは違い、普通の気遣いだ。
研修の帰りに、
少しだけ70代であろう女性と会話をし、管理栄養士をされて
いて色々と大変だったお話を小さい声で聞かせていただけた。
明日からのつながり活動のために、
私も自動販売機で、
エナジードリンクを買って、
今日のうちにに飲み干しておいた。
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