O型の大雑把くん

「　何型ですか？　」

「　私は0型です！　」

「　あ〜、やっぱり〜（笑）　」

どの場所にいっても、

しばらくすれば、バレてしまう。

私は0型の大雑把。

血液型に関することは、詳しくわからないが、

どうやら自分の行動や雰囲気は判断がつきやすいらしい。

「　単細胞で悪かったな〜　」

と少し拗ねる。

仕事に関しては、頑張って細かいところを気をつけるようにはしているが、

プライベートでは、

どんなことにおいても、

少し何かがかけていたとしても、

それほど気にならない。

細かいことに気付いたり、気になる方にとっては、

イライラさせる相手だと思う。

ふと、思うことがある。

自分は大雑把すぎて、

人の気持ちも大雑把に捉えているのではないかと。

介護の仕事など、人相手の仕事を長年していて、

相手の考えや思いを受け止め、

その考えや思いに沿ってコミュニケーションを

とってきてはいるが、

それは自分がそのつもりなだけで、

実は大雑把にしか捉えられていないのではないかと、

ふと思う時がある。

でも結局、

「　こんな自分が全てを理解できるわけがない　」

「　人はそんなに簡単じゃない、みんなそれぞれだ　」

と、

すぐに大雑把な思考に戻ってしまう。

良いも悪いも、こんな自分を受け入れるしかない。

夏に近づくと、昔の出来事を思い出す時がある。

大学生の頃、

友達とバーベキューに行くことが大好きだった。

なんとか火はつくだろうと、いつも大雑把な考えだった。

きっちりしている友達がいて、とても助かっていた。

参加メンバーの一人の女友達が、

同じく参加メンバーである男友達のことが好きだった。

私は時々、その女友達から相談を受けていた。

女友達の気持ちは知っている。

だが、

その女友達は、

当日のバーベキューでは、いっさいそんな素振りは見せず、

なんなら別の男友達と明るく楽しく話をしていて、

女友達が好きだと言っている男友達は、ポツンとお肉を焼いている状態でいる。

「　おいおい　」。

私には理解できなかった。

好きな男友達は、ポツンとお肉を焼いていて、

いくらでも話すチャンスが転がっている。

なのに別の男友達と、

好きな男友達の前で、

とても明るく楽しく会話をしている。

好きな人と話すのは恥ずかしいというのは、

大雑把な私でもさすがにわかる。

でも、

女友達は好きな男友達とは会話を一切せずに、

他の男友達と楽しく会話をして１日が終わった。

大学生の頃の私はそんな女友達の行動が理解できず、

夜に女友達に電話をした。

「　恥ずかしいのはわかるけど、他の友達とばかり話していたら、

　　他の人が好きなのではないかと勘違いされるんじゃないんかな？　」

そんな私の問いかけに、

女友達は答えた。

「　気づいてほしいもんなのよ・・・」

「　0型の大雑把くんにはわからないと思う（笑）。　」

な、なんてことを。

「　大雑把って関係ある〜〜？　」

と思いながらも、

「　まあ、後悔しないようにしてくれたらそれでええんやけど・・・　」

と、

自分から聞いておきながら、その話を誤魔化した覚えがある。

細かい感情というか、切ない女心というか、

本当にわかっていなかったんだと思う。

「　好きなら好きと言わんかい！　」

みたいな大雑把な思考だった私。

今でもバーベキューの話が話題になると、

「　O型の大雑把くん　」

というフレーズが

思い出とともにふと蘇ってくる。

今でも現役バリバリの0型の大雑把くん。

あの頃より、少しは人の考えや気持ちを丁寧に捉えられているだろうか？

一気にのせるタイプです！