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俳句

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2022年3月の記事一覧

俳句 早朝

「春暁の 新聞配達 足早に」

日中は温度もようやく春

めいて来ました。しかし早朝は

未だ、寒いのです。

新聞配達の人もそれを避けるかの

様に、足早に過ぎて行きました。

俳句 旧跡

「花咲けば 本丸跡も 雲の中」

空堀を隔て、昔の本丸の跡を

見上げました。桜の花に包まれ、

まるで雲が隠している様でした。

俳句  旧友

「花時の 友の忌日は うらやまし」

西行法師の歌「願わくば花の元にて

春死なん」では有りませんが・・・

三月の終わりに旅立った、旧友の

うらやましい事です。

辺り一面の桜に送られ、手向けの花

としてはこの上ない物でしょう。

俳句 中学生

「通学の 自転車速し 春めきぬ」

某大新聞地方版に、採って頂き

ました。暖かくなると朝見かける

生徒さん達の、自転車のスピードが

上がっています。これもうれしい

春の兆しなのです。

俳句 読書

「軍記物 また読み返し 日永なる」

太平記は歴史書の分類ですが、

誠に面白い本です。動乱の時代

には、様々な人が現れます。

その両側の人々が、個性的な魅力

に溢れていて・・・

俳句 桜

「初桜 旅一日目 海沿いを」

桜の開花に合わせた、旅を

しました。チラチラと枝先に、

花が見えています。

春の海は穏やかで、眠気を誘い

ます。

俳句 駅

「東京駅 中央通路 春の朝」

遠出するので、通勤時間帯の

東京駅を利用しました。

大変な人の波で、少しばかりの

寒さを感じさせない程でした。

俳句 昨日は

「花冷えや 行く先表示 変わる時」

一度暖かさに慣れた体に、

厳しい寒の戻りです。

人を迎えに上野駅へ行くと、

皆様しっかり冬の装いでした。

俳句 遠い日

「麗らかや 墓参の父母に 従いて」

春のお彼岸、良く墓参に

行きました。帰り道大好物の

{牡丹餅}を買うのが、楽しみ

でした。

俳句 遠い思い出

「恋終わる 人も居るらし 卒業式」

大学生となると、皆バラバラ。

遠くになる人とは、もう会えない

かも知れません。

小さな恋の、終わりの時です。

俳句 シーズン

「卒業の 乾杯は未だ ジュースなり」

高校の卒業式。もう既にアルコールが

似合う顔付です。ジュースを手にして

別れを惜しむのは、子供時代への

惜別でも有るのです。

俳句 春夜

「春月に 参道白く 遠く迄」

月明りに照らされた、無人の

参道。どこまでも続き、私を

違う世界に誘う様でした。

俳句 ぽかぽか陽気

「春の昼 帯の決まらぬ 外出着」

遅刻して来た女友達が

「ごめんね、帯が決まらなくて」

何時もの言い訳です。

{前日に、ちゃんと用意して

置けば良いのに}「違うの、

その日の気分が大事なのよ」

ふん何を着たって、顔が

変わる訳じゃ無いのに・・

危うく口に出かかりました。

俳句 日曜日

「麗らかや 日曜学校 始まりぬ」

教会の鐘の音が、聞こえて

来ました。日曜学校が始まる

合図です。クリスチャンでは

有りませんでしたが、聖書の

話を聞きに行っていました。

新約旧約両方を、3年かけて

教えて頂きました。

その時得た知識が、西洋美術を

理解する上で役立ちました。

レンガ造り・蔦が絡まり・明治期

から続く、カソリック教会でした。