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茶道教授の独り言
2021年9月1日 06:06
「仰ぎ見る 色淡くして 花紫苑」背の高い紫苑の花は、その高さ故寂しいと捉えた作品が有りました。私はその草丈より、はかなげな淡い色にこそ{さびしさ}を覚えるのです。
2021年9月2日 07:32
「秋の字の 雅号麗し 老師範」イケバナの先輩に{秋紅}の号を持つ方がおられます。確かあの方は勅使河原蒼風先生の門下。すると家元から直々に頂いた、雅号でしょうか?秋で紅とは、誠に心憎い雅号です。
2021年9月3日 06:12
「新涼の 籠には何を 生けようか」ようやく涼しくなって来ました。にわかにイケバナの創作意欲も、湧いています。お気に入りの籠を出して来ました。どんな作品を作るか、思案中です。次々と秋の花が浮かびます。さて仕上がりは如何に?
2021年9月4日 08:48
「一人いて 秋の雨聴く 四畳半」お弟子さんの稽古の合間、静かに座っていたら雨の音が聴こえました。「あ~こうして、心まで洗われて行く」と実感し、我ながら美しい思いにとらわれました。「先生こんにちわ」水屋から元気な男性の声がしました。静かな時は終わりました。
2021年9月5日 09:41
「すすきの穂 未だ開かぬか 昨日今日」薄も花穂が開かぬうちは、つんと澄まして立っている様です。それが穂が開き風に揺れると、優しい姿に変わります。秋の風情は、ここにも有るのです。
2021年9月6日 08:09
「鱗雲 ヘリコプターの 音の上」ヘリコプターの激しい音がしたので、空を見上げました。自衛隊の輸送でしょうか?二機連なっていたので、音が凄かったのでした。その上空に美しい鱗雲、空の青さを引き立てていました。
2021年9月7日 08:03
「掛け軸の 露の文字良し 大徳寺」大徳寺山内、塔頭寺院での茶会です。床の間に掛けられた、大きな横物。伺えばこちらの開山老師の筆とか!はかない筈の露の字が、大きく立派に書かれていました。表具も{うぶ}のままで、古色が漂いました。
2021年9月8日 07:45
「年下の 先客ばかり 秋の席」長い時間待って、ようやく入った広間の席。亭主から「大川さん、上の座空けてあるからお願いしますよ」と声を掛けられました。見渡すと珍しい事に、若い方の多い席でした。「まぁ私よりお姉さんが居ない、珍しい茶席!とてもうれしいな~」若い方々の緊張を解く一言を発しました。
2021年9月9日 06:04
「秋の雲 空に模様を 織りなして」空を見上げ、雲を見るのが好きな私。大空を舞台に、雲が壮大な文様を作ります。しばらくその美しさに見とれていました。地上の様々な苦悩を、一瞬忘れる事が出来ました。
2021年9月10日 06:44
「秋の雲 墓参は一人 ただひとり」月の半ばに両親・祖父母の命日が集中しています。それで毎月15日前後に、墓参に行きます。毎月一人でお参りして、近況を報告します。隣に住む兄は、一年に一度?位しか行きません。思いの違いと従兄弟に嘆いたら「それは貴方の方が、断然可愛がられていたから・・」もしかしたら複雑な思いを、胸に抱いているのかも知れません。「おや、又一人かい?」祖
2021年9月11日 06:28
「染帯の 萩の二枝 揺れるごと」社中の一人は、染帯が大好き。色々な技法・柄・色・の品を、持っています。今日のは、濃紺に淡い桃色の窓をぬき、その中に萩が墨書で描かれています。彼女が何か動作をする度に、その枝が揺れ動いていました。
2021年9月12日 07:26
「月はるか 初恋遥か 星はるか」十代初めの初恋、ようやく思い出せる様な遠い・遥かな記憶となりました。こんな風に美しく・はかない思い出は、少しづつ消えて行くのかもしれません。
2021年9月13日 07:36
「対岸は 曇りしままや 秋の風」青い空に、雲は確実に動いています。しかし海の向こう側は、どうやら曇ったままの様です。しかし薄い雲なので、いくらか太陽の光が差し込みます。神々しいまでの、美しい情景でした。
2021年9月14日 08:11
「こほろぎや いつもの夜を 迎えたり」いつもの通り本を開くと、かすかな虫の音が。秋をしみじみ感じる一時です。夜長の楽しみは、いくつも有るのをご存じですか?「鈴虫は 誰に飼われて 鳴くのやら」友人のマンションを尋ねると、虫の声が聴こえました。{隣のベランダから}友人の説明です。風流人が、こんな所にも!「その木陰 松虫確か いるらしき」松の木の下あたりから、鳴き声が