親株を探せ
近年のパンジー&ビオラの凄まじい進化をご存じでしょうか。
従来のパンジー&ビオラの一般的なイメージといえば、ホームセンターで安くて98円くらいで手に入り、
学校や歩道沿いの公共の花壇などでとりあえず植えられる早春の花。
どうぶつの森でもおなじみの、赤青黄色のパンチの効いた原色のでっかいスミレです。
従来どおりのイメージならね......。
それがここ近年、育種家の方々の涙ぐましい努力によって、強烈オシャレなパンジー&ビオラが爆誕し続けております。
1株1000円超えも珍しくありません。劇的な進化とイメージアップを遂げました。
そんな強烈オシャレなパンジー&ビオラが世の園芸フリーク達の心を鷲掴みにし、一大ブームが巻き起こっているのです。
わたし思うんですけど、育種家や農家の仕掛けたビジネスセンスがすごすぎる!!
強烈オシャレなのは花だけでなく、品種の名前もそうなのです。
ローブトゥアントワネット…ヌーヴェルヴァーグ…
完全に薔薇オタクマダム層を狙っておる。
バラ好きはパリ好きでフリルとアンティークが好きで富裕層が多い。
見た目から名前までパリを再現したパンジー&ビオラ。
そこからどんどん派生して印象派だったり現代アートだったり、注目のブランド苗が目白押しの世の中になりました。
熱いぞ日本の園芸界!!!
[パンビオ狩り]という言葉も生まれて久しい。
意味はそのまま『パンジーとビオラを狩りに行く!』です。
シーズン到来と共に各園芸店をハシゴしまくり、争奪戦の末にお目当ての高級パンジー&ビオラを狩りのごとく手に入れる様を表しております。勇ましいですね。こわい。
中毒者が続出しているのをいいことに、転売も増えております。だいたい2〜3倍の価格で。
それくらい強烈オシャレで目が眩みます。
ええ、もちろんわたくしも簡単に心を鷲掴みにされた1人でござる。
その美しさたるや、『なんじゃこりゃぁ!!!』と固定観念を破壊されました。
しかしですね、固定観念を破壊されたとて金銭感覚まで破壊されるわけにはいかんのです。
欲しくてたまらないけど、いざ購入となるときちんとブレーキがかかるのが貧乏人。
いままで98円の価値だと思っていた物が1000円超えるんだぞ。
[Q.あなたは美味しいからと言って1000円の納豆を買えますか?]
A.味を覚えたら簡単に買う
1度購入してしまったら最後、自制心は失われ簡単に手を出してしまうのが1000円というボーダーラインの恐ろしさです。
これが1万円だったら上級国民のお遊びだと諦めたのに。
自分に甘いわたくしのような貧乏人は、なんだかんだ理由をつけて1000円を出してしまう。
なので500円はもう安い。
完全にパンジー&ビオラ業界のターゲットマーケティングにハマってしまった。
この新たな価値観が園芸市場を盛り上げているんだなぁ。プラス思考。
1年草に重課金した言い訳をするのであれば、これは「親株購入費」とでもしておきましょう。
わたしはパンジー&ビオラの交配育種も趣味でやっておりますのでね。
良い株を買って実験がしたい。
そうやって今年大量生産した小輪絞り柄ビオラたちがこちらです。
来年の種まきも楽しみだなー