見出し画像

クリスマスローズの交配が始まるよ

やー、気付けば3月です。冬の終わりもすぐそこ。
先日の居座り寒波で連日氷点下の世界だったんですけど、昨日あたりから一気に日中20℃近くまで上昇です。

寒いと暖かいを繰り返して徐々に春へと変化していく中、植物もそれを敏感に感じ取りスイッチが入った模様。

庭を見渡せば、ようやく地植え球根やこぼれ種たちが一斉に芽吹き始めました。ニョキニョキ。

えー、それを鹿が食い尽くしております。

あったまくるなー!もー!!!

球根を掘り上げて管理するのがめんどくさいからと、全てを地植え放置に切り替えた矢先にコレですよ。

クリスマスローズと水仙は毒があるので無事なんですけども。それにしたって食い過ぎである。

ということで。
怒り任せにホームセンターへ行き、外観を大いに損なう鹿対策を施し、
昨夜は1時間おきに起きては窓を開け、庭に向かって奇声を上げるという奇行を朝まで繰り返しました。
犬も驚いて一緒に吠え狂うので相乗効果で威嚇できたことでしょう。

動物の食害は初動が肝心ですからね。

近所迷惑ですか?
いいえ、ご安心ください大丈夫です。
ここはド田舎ですから。

臭い薬を撒き散らし、不織布でガード。

おかげで死ぬほど眠たい今日だったのですが、
どうしても日中にやらなければいけないことがある。

そう、本題のクリスマスローズの交配でございます。

まだ数株しか開花していないんですけども、なんせ平日の交配は仕事でほぼ不可能なので明日に回すことができません。

クリスマスローズの交配は、なるべく天気の良い日の朝8時すぎくらいから始めます。
それくらいの時間帯になると花粉を噴き始めるんですよ。
まずは花粉親を決めます。お父さんなり。

これが噴き出した花粉です

こいつをピンセットで2本ほど取ります。

父上のDNAを拝借

お次は受粉親を決めます。お母さんなり。
その際は、お母さん自身に花粉が噴いていないことを確認しましょう。お母さんも花粉が噴いていた場合は自家受粉してしまっている可能性が大いにあります。

おしべがこれくらいカチっと締まっているのが
良いお母さんです。
お母さんのめしべの先端に
お父さんの花粉をチョンチョン
これで交配受粉完了でござる
約2ヶ月後、GWくらいに種が採れます

厳密に言うとこの交配方法は100%ではないんですけどね。
すでに昆虫が謎の交配をしてしまっている場合もあるので。なので、昆虫が活動しだすよりも早い朝方が良いのです。
朝日が当たって気温が上がりだしたくらいです。

もっとガチの交配をする人は、ここから更にお母さんのおしべを全部むしり取り、自家受粉の可能性を全て奪った上で茶袋を被せて昆虫の侵入も防ぎます。

まあ、そこまでしなくてもだいたい交配できてるんで大丈夫ですよ。
きちんと狙った交配ができていても、できていなくても、クリスマスローズという植物はどんな花になるか咲いてみるまでわかりません。
親と同じ花は咲かないのがクリスマスローズです。
親の特徴をうまく受け継いでいるかいないかは、ほぼ運です。

これがクリスマスローズ交配博打のおもしろさよ。
種から3年4年育ててようやく咲いたと思ったら「何コレ嘘だろ」ってのザラですからね。

忘れないように交配記録のタグをつけましょう
私の人差し指の先サイズの小輪様
この子も交配完了です

まだまだ蕾が多いので、どうしても交配させたい株のために何日かは仕事を遅刻する所存でございます。
今から勤務先に報告する遅刻の理由(大嘘)をリスト化しております。
お腹が痛くなったり、猫が逃げたり、母の具合が悪くなったりする予定です。

蕾を見ている時が1番幸せかもしれん。

初開花予定の原種に期待しかありません
この蕾はすごく赤くてビビっております
ここまで鮮やかな赤って少ないんですよ
この株は蕾の状態が1番カッコ良いのです


お次は本日の失態をご覧ください。

枯れ茎を除去しようと引っ張ったら、
花茎まで取っちまった

これ、毎年やらかすんですよね……
枯れ茎は病気の原因になったりするのでなるべく取り除くのですが、その度にやってしまいます。
かなり落ち込むわりに全然学習できない。

せっかくなので取れた蕾を剥いてみました

おお!!この原種hybは去年までシングル咲きだったんですが、ネクタリー(蜜腺)が花弁化しているじゃないか!!

やったね!セミダブルに進化している!

クリスマスローズってこういうのが面白い。
株の成熟度や気温や天候などその年々の状況下で、昨年と全然違う感じで咲いたりするんです。

今回この原種hybにはダブル咲きのDNAがあるということがわかったので、
次の交配でどう進化するのか、後退するのか、
神のみぞ知る……ですね。

わくわく。

いいなと思ったら応援しよう!