本を読んで衝撃を受ける
本を読むと衝撃を受ける。
またちょくちょくと本を読む時間が増えてきた。
以前は見たくもないテレビを流し見しながらスマホをいじっていた。今振り返ると無駄にしか思えない時間は、テレビを消して本に集中する有意義な時間となった。
最近では西加奈子さんの「サラバ!」や村田沙耶香さんの「コンビニ人間」という文学賞を受賞した作品を立て続けに読んで、あまり感想を言葉にするのは苦手だから何も言わないが兎に角ズーンといろんなところに衝撃を受けた。やっぱり小説っておもしろいって再認識したりもした。
いつもリビングのソファで軽く横になりながら本を読んでいるのだがなんとも落ち着かない。
何かいい方法はないかと考えて読書部屋を作ることにした。
出来上がった読書部屋は部屋とは名ばかりの人ひとり寝転んだらいっぱいいっぱいになる、狭くて狭くてせせこましい部屋だ。おそらくドラえもんが寝ているのび太の部屋の押し入れよりも狭い。
部屋なんて言えたもんじゃない。
我が家は昨年小さな小さな中古の一軒家を買って、住む前にフルとはいかないまでもある程度のリノベーションをした家に住んでいる。
壁紙や床、水回りなどを新しいものに変えたり、壁を抜いたり作ったりして間取りも少々変えた。
以前は壁があって塞がれていて、扉がついていた階段下の収納庫を少しでも部屋を広く見せるために開放した。
そこで生まれた階段下の小さなスペース。
住んで8ヶ月使い道を見出せなかったその小さなスペースを読書部屋にする事にした。だから部屋なんて立派なものではないのだ。
そこに座椅子を買って置いてみた。
グレーの少しふわふわめの座椅子。
それに座ると頭の上には5cm程しか隙間がない圧迫感。夫が座ると頭がついてしまうほどだ。
高さも横幅も1mもない、左右と上はすぐ壁でかなりの狭さだ。
奥行きだけは足を伸ばせるくらいはあるけれど天井は低く奥に入るのも小さいトンネルをくぐるように四つん這いにならなければならないほどだ。
しかしそれがなんだか妙に落ち着くのだ。
小さなテーブルにテーブルライトを置いて本が読める程度に明るく灯してみる。
コースターとその上にマグカップを置いてマグカップの中には甘いカフェオレを入れたりして。
子供の秘密基地のようだ。
いい年してなんだかワクワクする。
リビングのソファに横になりながら本を読むよりも集中できる気がする。
だから本を読もうと思ったらこの階段下へ来る。
そしたらたまに先客がいる。
この狭さと座椅子に魅了されたのか我が家の愛犬たちが我が物顔で座椅子で寛いでいる。
お寛ぎのところ申し訳ないと思いながら「ちょっと失礼」と場所を譲ってもらう。
私がここにいると愛犬たちも思い思いに近くでくつろぎ始める。
そのまま床で寝転んだり、近くに置いてあるペットベットにいたり、はたまた私の膝の上にいたり。
リビングもあるのに皆この秘密基地に集結する。
ここで本を読んでみる。
noteを書いてみる。
落ち着く空間ができた。
落ち着きすぎて寝てしまいそうになる事もある。
夜も更けてきた。
2階のベッドで寝ようかな、なんて思って階段下の読書部屋を出る。
眠たい目を擦りながら四つん這いになってゆっくり進み立ち上がる。
ゴンッ!
「痛っ!」
頭に強い衝撃を受けた。
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