ニューヨークのリモート授業で使われているアプリやサイト。
ニューヨークでは既に2ヶ月以上、学校は全て閉鎖されて、リモート授業が行われています。今回は、ニューヨークでのリモート授業で学校が使用しているアプリ(オンラインサービス)を紹介したいと思います。
Google Classroom
これはもう、言わずもがなだとは思いますが、基本的なクラスのスケジュール管理と課題提出などは圧倒的にGoogle Classroomを使っている学校が多いようです。
同様のサービスにより多くの機能を持ったSchoologyというものがあり、こちらを使っている学校もありますが、Google Classroomの方が、機能は少ない物の、運営者側にとっても生徒側にとってもユーザフレンドリーです。
できることは、(1)授業や宿題で使うマテリアルのシェア、(2)設問形式のワークシート出題と自動採点やルーブリックによる成績管理、(4)レポート課題の出題(5)ワークシートやレポートの提出期限管理、(6)生徒とコミュニケーションできる掲示板機能、などになります。
基本的に無料であり、ブルックリン日本語学園の中等部、高等部でもGoogle Classroomを宿題や課題提出に使用しており重宝しています。
Khan Academy
カーン/アカデミーも定番中の定番で、ほとんどの学校や家庭で使用されているオンラインサービスです。元々は算数・数学を教えるビデオクリップからスタートし、現在ではアートやプログラミングなど、多種の教科があります。
多くの学校では、算数・数学の宿題やサプリメンタル・マテリアルとして使用されており、学校が指定した各生徒のアカウントを使ってログインすることで、先生側は生徒の進捗や、何を理解していて何につまづいているかを把握することが可能です。
単元ごとに解説ビデオと練習問題、また単元最後には終了テストなどが組み合わされており、生徒はタスクをクリアするごとにポイントやバッジがもらえ、自分自身のアバターをバージョンアップさせることなどができます。
小さな単元ごとに達成感が感じられるインターフェイスと仕組みになっているため、子供達は学校で習っていることより先の単元にどんどん進んで行くことができます。
生徒としての使用は無料ですが、英語がベースなので残念ながら日本語教育には使えません。
Prodigy
プロディジーも、算数学習のためのオンラインアプリケーションですが、こちらはロールプレイングゲーム形式で、勇者となって冒険しながら学んでいくタイプの物です。
冒険マップを進みながら途中で出会う敵を倒していったり、アイテムや宝物を探したり、買ったりと、ビデオゲーム初期のロールプレイングゲーム感の中、要所要所で算数の問題が出題されます。
ゲームというインターフェイスは使っていますが、バックではしっかりと、必要な算数の単元が進んで行き、保護者や先生からは進捗はもちろん、苦手としている部分や傾向などが確認できるようになっています。
勉強嫌いの下の息子は、このProdigyだけは進んでやります。残念ながら英語のみになります。
FlipGrid
フリップグリッドは、先生と生徒が自由に短い動画を撮影してアップすることができる、動画アップボードのようなアプリです。
上の写真は、中等部のクラス用に、家庭課題として行っている「クッキングチャレンジ」の画面です。
こんな感じで先生の方から出題をしたものに対して、下の写真のように、生徒は携帯やラップトップから動画を撮ってアップしてきます。
こうしてアップされた動画に対して、先生も生徒も、動画でのレスポンスやコメントを返すことが可能です。
アップロードできる動画の時間は先生の方で設定可能であり、また生徒は、動画をトリムしたり、アイコンやコメントを入れたりできる簡単な編集機能を使うことができます。
また、また生徒は他の生徒の動画を見ることができますので、アップされた動画を見ながらクラス全体で盛り上がることができます。また設定によりますが、生徒は自分の動画をSNSなどでシェアすることができます。
一度クラスのサイトをフリップ・グリッドの中に作ったあとは、課題やイベントごとにトピックを立ち上げ、動画ボードをまとめていくことが可能です。
リモート授業が始まって以来、多くおニューヨークのローカル校で使われており、学校にいけないためにできなくなったサイエンスのやアート&クラフトのプロジェクトなどを、家庭で行いフリップグリッドに載せてシェアするというような使われ方をしています。
直感的に使えるインターフェイスで、動画世代の子供達との相性もよく、日本語も使えますので、おすすめのアプリです。
そういえば、こちらからアップした日本語の課題文を声に出して読んでくれる機能もついてます。
BrainPOP
こちらは、主要教科の各トッピックに対する、BrainPOPオリジナルの説明付きアニメーション動画を見ながら、生徒がワークシートや問題を解いていくことができるサイトです。
生徒ができることは他にもコーディングや他の参考文献を見ることなど、先生がどのような形でBrainPOPを使わせるかによって色々ありますが、上の娘の学校では、単にBrainPOPの動画アニメーションを見るということにのみ使っている用です。
例えば、サイエンス(理科)のリモート授業では、Electromagnetic Spectrumの単元内で、BrainPOP内のアニメーションによる説明を見たあと、それに対するワークシートやレポートは、自分のグーグル・クラスルーム内で行って提出するというかたちになっていました。
色々な機能を使わずに、理科や社会の動画を見せて、それに対してリポートを書かせるというようなことだけをするのであれば、日本語ではNHK for スクールなどが使えますね。
IXL
アイ・エックス・エルは、前述のカーン・アカデミーから、ゲーム的要素(アバターをレベルアップさせたりバッジをもらったり)を一切排除したタイプのサイトです。
幼稚園から高校までの全単元をカバーしていますが、主に中学生以上に向けて使われています。
カーン・アカデミーとの大きな違いは、IXLには、説明動画などが一切ないという点であり、カーン・アカデミーが自主学習を行うためのサイトであるのに対し、IXLは、ひたすら問題を解いていく形式で、どちらかと言えば、復習やテスト勉強向けのサイトになっています。
調べて見たらIXLには日本版もありました。
Edpuzzle
Edpuzzle(エド・パズル)は、世の中にあるYoutubeやKhan Academy の学習動画を、先生が自由に使って課題にすることができるサービスです。
例えば、Youtube の、ある2次方程式についての動画を使って課題を作りたい場合、エド・パズルでその動画を課題として指定し、(例えば)グーグル・クラスルームとリンクさせます。
こうすることで、生徒はエド・パズル内の動画を見ない限り、グーグル・クラスルーム内の課題の提出ができなくなり、動画を見るとエド・パズル内にそのことが記録されていきます。
エド・パズル自体は動画や課題を提供するわけではありませんが、世の中なる動画を課題としてパッケージ化するのに便利なサービスです。
Remind
これは、先生から生徒や保護者に、直接テキストメッセージでアナウンスメントを送ることができるサービスで、ブルックリン日本語学園でも7年生以上の生徒を対象に使用しています。
テキスト自体は通常のやり方でも遅れるわけですが、Remindの便利なところは、登録した相手を例えば保護者、生徒などにグループ化して、一斉送信ができるところと、受信者側が、自分の携帯番号を先生に教えることなくテキストを受けるとれるところです。
しかも、一斉送信されたテキストに、生徒が返信した場合、その返信はプライベートテキストとして、全員に送られることなく、先生のみに送られ、以降はその生徒と先生間とのやりとりとして連絡を取り合うことができます。
メールだと中々チェックされないことでも、テキストだとすぐに読まれる可能性が高いので非常に便利であり、ニューヨークの多くの学校でも採用されています。また、日本語も問題なく使うことができます。
まとめ
ニューヨークでのリモート授業は、Google Classroomを生徒のポータルとして、その上に様々なサービスを利用しながら課題を提供しているというやり方が多いようです。
Google Classroomは機能こそ限られているものの、使いやすさでは群を抜いており、またGoogle Calender や学校のメアド(Gmailをベースにしている学校がほとんど)と連動しやすいことから、ほぼスタンダードになっています。
動画をベースとした授業環境は以前から進んでいますが、フリップグリッドをはじめ、現在の携帯電話&SNSという生徒のデバイス環境にマッチしたサービスが次々と現れています。
クラス運営や授業などに使えそうな面白いサービスやアプリがあったら、まだ順次ご紹介していきたいと思います。