感情に寄り添ってくれるのは音楽だ!
失恋した時は、どこまでも暗い曲を聴くのが良い。次の彼を探すためとか、自分を盛り上げるためとかで、無理して明るめの曲を選ぶのは選択ミスだ。
映画のシーンと関係ない音楽が流れていたりすると興醒めだ。しかし別の効果を狙ってわざとそうする場合もある。
キャンプ場で遊ぶ家族が映し出される映像の裏で、スリラー系の効果音が使われていたら、ジェイソンでも出てくるのかと不安になる。視覚より聴覚のほうが感情を刺激する。
突然ラジオやテレビから涙腺を刺激するようなメロディが流れると、訳もなく感傷的になるのはそのためだ。これは「音楽は感情の言語である」と言われる所以だ。
またそれとは別に、脳と密な関係にあるのが嗅覚(匂い)だ。
嗅覚は最も記憶と密接な関係を築いており、プルースト効果という。別れた恋人の香りとすれ違って街中でフッと振り返ってしまう、アレだ!
これは脳の仕組みがそうさせる。五感の中で嗅覚だけが海馬に直接情報を送ることができるからだ。海馬は記憶を貯蔵しておく倉庫のようなものだ。嗅覚だけが他の感覚によって思い出される記憶よりも正確であるという結果もある。
匂いが記憶を蘇らせるのに対して、音楽は感情に訴えかける。匂いは各人の記憶によって違いがあるのに対し、同じ音楽からは皆が似たような感情を受け取るので、まさに感情の言語だ。
音楽は感情の言語で寄り添うように語りかけてくれる。なぐさめてくれ、励ましてくれ、ささくれだった気持ちをほぐしてくれ、優しい気持ちにさせてくれ、あなたの気持ちになって、、、と、素晴らしい!
これまでの話は、音楽と感情を結びつけた心理学 & 匂いと脳の関係について。ここからは脳科学者が音楽について書いた本があるので紹介したい。
・ “決断”をするときは、重低音が効いた曲を聴く
・ 怒りやネガティブな感情に陥ったら、ヘヴィメタルで鎮める
・ 時間認識を研ぎ澄ませるには、低音域の曲を聴く
・ 記憶力や認知力を上げるには、楽器を演奏する
・ ストレスが強い場面では、ヘヴィメタルかロックを聴く
・ 人との結びつきを強めるには、“心拍”を感じるシンプルな曲を流す
・ 心の傷、体の傷を癒したいなら、ライブ会場へ行く
・ “人となり”を理解するには、好きな音楽を知る
・ 入園前の子どもに、リズムの練習をさせる
こちらは音楽へのアプローチが多い。著者はヘミメタがお好きだという。心理学と脳科学からでは違う結果が出ているのが非常に興味深いところ。
どちらでも、良い。
一番大切なのは、音楽で心地良くなることだから。
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