第40回「外国籍の児童・生徒の想いに寄り添った言語サポート」
UPGRADE with TOKYO 第40回(テーマ「外国籍の児童・生徒の想いに寄り添った言語サポート」)を開催しました
東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が10月22日(火)に開催されました。
第40回目となる今回のテーマは「外国籍の児童・生徒の想いに寄り添った言語サポート」。
多言語に対応した日本語学習コンテンツやコミュニティプログラム等の事業を展開する企業5社がピッチに臨み、日本語講師とのオンラインマンツーマンレッスンをはじめとした日本語学習プラットフォームを提案したRAKUVISA株式会社が優勝しました。
言語の壁に苦しむ外国籍の児童・生徒に向けた支援体制を充実させたい
コロナ禍が明け、海外から渋谷区の小中学校に編入してくる外国籍児童・生徒が急増しており、昨今彼らの滞在期間が高校進学も想定した長期的なものとなっていることから、授業や学習場面で使用される学習言語の習得等、学校生活に困らない程度にとどまらず、より高い日本語能力の習得が求められています。
授業や学校生活、日常生活での支援を目的として、日本語学習・通訳サービス提供や地域住民を巻き込んだコミュニティ構築など、外国籍児童・生徒の日本での生活をより豊かにするための提案を募集しました。
■優勝社:エントリーNo.5 RAKUVISA株式会社
『AIで⾒える化!日本語講師・学校教師・外国人児童が連携する学習サポートプラットフォーム』
優勝したRAKUVISA株式会社が提案したのは、オンラインプラットフォーム上で日本語講師からオンラインレッスンを受講できるほか、音声認識AI等による会話能力テストや、各生徒への宿題提供・受講状況管理等が行えるサービスです。
日本語の他、英語・ベトナム語・インドネシア語・中国語等を話すことができる400名以上の講師陣から、マンツーマンで日本語レッスンを受講することができます。毎回、レッスンを受講後に講師からその日の学習内容・成果に関するフィードバックを受けられるほか、AIを活用して自身の日本語能力を測るテストを受験できることが特徴です。
生徒たちの学習状況は管理画面から確認でき、学校の教員は本プラットフォームを通じて児童・生徒一人ひとりにおける現状の日本語能力を把握することができます。
本ピッチにおいては、小学生~中学生と幅広い学年・日本語レベルに応じた体系的な日本語学習プログラムを構築できるか、リソースが限られている渋谷区側の負担となりすぎないかという点が重視されました。
中でも、学習者が子供であることを鑑み、自身の母語を交えながら、人間の講師が対面でレッスンを行うことで学習をサポートできるという点が評価され、RAKUVISA株式会社が優勝しました。
今後、所管部局である渋谷区教育委員会と協働プロジェクトの実施内容・スケジュール・費用等を定める協定内容の協議が行われ、本格的に協働がスタートしていくこととなります。
■エントリーNo.1 Meshclass株式会社
『生徒一人ひとりに合った学習を効率よく支援するWebアプリ Meshclass for School』
Meshclass株式会社は、独学学習者向け日本語学習アプリ「Meshclass」をベースに学校向けのコンテンツを開発・提供することで、学習者のレベル・ニーズに合った多様な日本語学習支援コースを構築できるサービス「Meshclass for School」を提案しました。
■エントリーNo.2 一般社団法人YOU MAKE IT
『外国人の小さなGiveが渋谷の未来を変える。ほうかご meeting』
一般社団法人YOU MAKE ITは、外国人がGiverとなる「ほうかごmeeting」 プログラムを通じ、外国籍の子ども・保護者の言語学習と自己肯定感向上、居場所の獲得を目指すコミュニティ形成の取組みを提案しました。
■エントリーNo.3 株式会社明光キャリアパートナーズ
『言葉の壁を乗り越えよう!子供向け日本語学習の新しいかたち-日本語eラーニングサービス Japany-』
株式会社明光キャリアパートナーズは、多様な学習者に対する日本語学習プログラム提供と、その進捗状況管理等を一貫して実施できる日本語eラーニングシステム「Japany」を提案しました。
■エントリーNo.4 SUN株式会社
『多文化共生の最前線、日本語教育で創る未来』
SUN株式会社は、日常会話から教科学習まで幅広い支援を提供することで子供たちの学習意欲を高め、多文化共生社会の実現を支援する日本語学習サービス「はなすプラス」を提案しました。
今回のピッチイベントは、渋谷区内の小中学校に編入してきた外国籍の児童・生徒たちの日本語能力向上に向け、彼らの学習を効果的に支援するためのソリューションを募集するものでした。
優勝したRAKUVISA株式会社との協働プロジェクトをはじめ、渋谷区による日本語学習支援の取り組みが進み、ひいては子供たちの学校生活がより良いものとなることを願っています。
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