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都民の防災意識を向上させるコンテンツの開発

UPGRADE with TOKYO 第28回(テーマ「先端技術を活用した、都民の防災意識向上に資するコンテンツの開発」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が開催されました。第28回目となる今回のテーマは「先端技術を活用した、都民の防災意識向上に資するコンテンツの開発」。VR(仮想現実)やアプリ関連の企業など5社がピッチに臨み、メタバースを活用して都民の行動変容を促す災害時シミュレーション空間を提供する、株式会社アルファコードが優勝しました。

2023年から始動したTOKYO強靭化プロジェクト

東京はこれまで、洪水や地震などにたびたび見舞われ、その対策により災害に強いまちに進化してきました。今後も、気候変動で激甚化・頻発化する風水害、いつ起きてもおかしくない地震や火山噴火などへの備えを強化する必要があります。東京都は自然災害の危機に直面する中にあっても、都民の生命と暮らしを守り、首都東京の機能や経済活動を維持するため、今年から「TOKYO強靭化プロジェクト」を始動しました。このプロジェクトを遂行するにあたっては、都民の防災意識を高めることが不可欠です。そこで、都民の防災意識の向上を図るため、災害発生時の状況を可視化するなど、都民が防災に興味を持つきっかけとなるコンテンツについて、提案を募集しました。

■第28回優勝社:エントリーNo.5 株式会社アルファコード
メタバースで家族や職場仲間と災害を共有する意識を学ぶ

優勝したアルファコードのメタバースシステムは、ゴーグルを装着すると、数十人が一つの空間内にアバターとして入り、現実空間と同じようにコミュニケーションを交わせることが特徴です。例えば都の職員や専門家がメタバースの同じ空間内で、本当はそこに存在していないけど、リアリティのある指導が可能です。これによって、災害を共有する意識を学び、行動変容につなげるのが目的です。
例えば河川の氾濫の場合、〇分で子どもの高さまで水が押し寄せてくるとか、土砂災害では大量の土砂が家の中に入ってきて扉にたどり着けないといった、リアリティのあるシミュレーション空間を提供。家族や職場の仲間と体験、共有することで、行動のコンセンサス形成を促します。このシステムはインターネットを使わず、東京都が主催するセミナー・イベントや出前授業などで利用できます。1日のイベントでは、最大1000人がリアルな災害現場の対応が可能となります。また、Webによるメタバース空間の構築や多言語対応によって、より多くの都民が体験できるようにします。

「個性的な提案が多く、比較がしづらかった」という声が相次いだように、他社も高度な提案を行いました。

■エントリーNo.1 株式会社リアルグローブ
スマートフォンからの取得情報を、地図上にリアルタイムで集約・共有化

株式会社リアルグローブが提案したのは、スマートフォンや定点カメラからの取得情報を、地図上にリアルタイムで集約し共有するプラットフォームです。ハザードマップの3D化によって、居住地域の浸水リスクを可視化。水害時に水平・垂直避難のどちらを優先すべきか、判断しやすくします。また、地域リスクに個人特性を加味した避難経路と想定時間も可視化します。

■エントリーNo.2 株式会社シンク
スポーツを通じて災害時に行動できる体力・スピードを養う

株式会社シンクは、スポーツを通じて災害時に行動できる体力・スピードを養うため、「防災スポーツ」という事業を展開しています。例えばウォーターレスキューという競技では、浮くものを投げ入れて陸からロープで救助するスキルを身に付けます。キャットサイクルレースでは、がれきや土砂が散乱し台車が通れなくなることを想定。一輪車の操作方法を体で覚えます。

■エントリーNo.3 株式会社m-Lab
メタバースを通じ防災知識を高める

株式会社m-Lab(エムラボ)は、メタバースを通じ防災知識を高める教育コンテンツを提案しました。「V-expo」という自社で開発し幅広い層が活用できるエンジンを活用。地下鉄や屋外、商業施設などのシチュエーションを用意し、それぞれの空間で震度7クラスの大地震が発生したら、どういった事態が生じ、どのような避難を行えばよいのかについて学びます。

■エントリーNo.4 株式会社一旗
東京都の施設に、巨大地震による最悪のシナリオを3DCGなどで投影

株式会社一旗(ひとはた)が提案したのは、東京都の所有施設を活用した高輝度プロジェクションマッピングです。巨大地震や大噴火など最悪のシナリオを3DCGや実写映像・写真を駆使して投影。リアルな疑似体験やSNS拡散によって、都⺠の防災意識の最⼤化を図ります。また、関東⼤震災の⽩⿊写真をAIでカラー化するなど、没⼊感の⾼いコンテンツを制作します。

2023年は関東大震災発生から100年の節目の年となります。東京の強靭化に向けた機運を醸成し、これから100年先も都民が安心できる持続可能な首都東京を実現してまいります。


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