【精神医学】催眠術と上手なマネジメントの意外な共通点とは?
総合的な思考基盤を養うことをテーマに読書した知識を引用・解説していくnote。本稿では「新装版 ミルトン・エリクトンの催眠療法入門 著W・H・オハンロン+M・マーチン」より、精神医学(=無意識領域)におけるナレッジを紹介していく。
【読んでほしい人】
精神医学や心理学、マネジメントのために深層心理を勉強したい人
【ナレッジポイント】
・催眠術とは何かがわかる
・マネジメントへの生かし方がわかる
それではみていこう。
#1催眠術とはいったい
私自身、催眠術というのはとんだインチキだと思ってます。それは「あなたはだんだん眠くなる~」の掛け声でぐーすかぴーであったり、とんでもなく早く走れるようになる、はありえないからです。
誤解のないようにお伝えすると、ありえない、というのは魔法的なニュアンスで起きえないというだけで、じっさいに催眠術により眠くなったり足が速くなったりすることはあり得ます。
そのロジックとは、たとえば極度の緊張により眠れなかったが、催眠術によりリラックスさせ自律神経を調整することで眠くなる。
こけたらどうしようという不安からもともと速く走れるが抑制していた人が催眠術により恐怖心が緩和されてその結果速くなるなどです。
要するにポテンシャルを超えて効果を発揮ことはないが、潜在的なポテンシャルを引き出すという意味では催眠術は可能です。
ここが重要です。催眠術は神学的療法でも魔法でもなく、
潜在的な何かを引き出すことができるテクニック
なのです。決して押しつけてはいけません。
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#2無意識領域を意識
健在意識が沈み、潜在意識が露出した状態をトランス状態と呼び、リハビリテーション、教育、スポーツなどの幅広い領域へと応用されています。
この潜在意識(=無意識の領域)は本書ではさまざまな意味合いで解説されています。
日常的な生活の中で表現されないが、日々蓄積されて溜まっているのが無意識となっています。
この、日々意識されずに少しずつ表面から消えて行ってしまう記憶を引き出す催眠療法は日々のメンタリングにも共通する部分があるように思います。
何かミスがあったときに凝り固まったリーダー側の常識を押し付けるのではなく、
なぜメンバーがそのようにしたのか、その結果に対してどう感じているのか、根底にある想いを掬ってあげる。
1on1の時に、普段の業務におけるフィードバックをするのではなく、
今の会社に入った時の志や夢や好きなこと嫌いなこと、日常的に意識していないけど無意識の領域に根差した部分を掘り起こしてあげる。
「お前ならできる!」という精神論や「あなたはだんだん仕事ができるようになーる」というおまじないをされてはメンバーも困るだろうが、しっかり寄り添ってくれる催眠術であればしっかり"かかって"くれることと思います。