【哲学】平等と公平の違い正しく理解出来ていますか
平等、という考え方は大事な一方で、いつ如何なる時も平等を順守する、というのは少し柔軟性に欠ける考え方かもしれない。
ここで平等と公平の語義を確かめてみよう。この図がとてもわかりやすい。
平等というのは”等しく”与えることで、公平というのは”等しくなるように”与える
という理解ができる。
文中でマーガレットは全ての息子に等しいゲームを与える「平等」を意識していた。
確かに等しく与えることで喧嘩にはならないだろうし、プレイボーイ・マックスという最新式ゲームが貰えることを知らなければ届くや否やプレゼントの包装紙をびりびりに破いてすぐさまゲームを始めるだろう━━━ジョンはその時しょんぼりしているかもしれないが・・)
ただこれだと満足度は100%になるかもしれないが、120%になることはない。むしろ次の日に友達が最新式を持っていて自慢げに見せびらかしをしようものなら、今のゲーム機に不満すら覚えるかもしれない。
一方で、2つの最新式と1つ旧式のゲームを購入して「これは誰が誰のゲーム機というわけではないが、なんと最新式が2つも手に入ったんだ、仲良く使えるかい?」という交渉に子供は真剣なまなざしで一回ゆっくりと頷くのではないだろうか。
ヒトは心理的に最もリスクの低い、言い換えると無難な選択に魅力を感じるものだが、果たしてそれが最善な選択なのかはあらゆる場面で一考の余地がありそうだ。
例えばマネジメントでも平等な扱いをしていれば波風が立つこともないだろうが、図の紫の少年のように「ちぇっつまらないの」と感じている部下がいるかもしれない。
そんな時にみんなが同じ土俵に立てるようにお膳立てしてやるのも1つリーダーとして力の見せ所になるし、分かる部下からの信頼は必ず上がるだろう。今回のロールズの物語からそんなことが学べる。
ただ、だからと言ってさぼって努力をしていない人のために公平な手段ばかりとっているとえこひいきになることもあるので読者の皆さんは注意されたい。