【今日だけかもしれない短歌】一太刀に己のすべて乗せる者朝日に向かい彼の人想う
一太刀に己のすべて乗せる者朝日に向かい彼の人想う
若かりし頃の剣豪、宮本武蔵は
自分がどれだけ強いのかを知りたくて旅を続けた。
真剣でやりあえば、必ずどちらかが命を落とす。
真剣勝負とは、その一太刀(ひとたち)に己のすべてを乗せ、
まさしく捨て身の覚悟で相手の中に飛び込んでいく。
勝負は刹那で決まる。
そこに守りが微塵もあってはならぬ。
よもや生きて帰ろうなどとは微塵も考えてはならぬ。
そこに迷いがあれば必ずや絶命する。
その一太刀に込める思いが恐ろしいほどに「純粋」な者が生き残る。
そんなひたすら剣に生きた宮本武蔵も朝日を見ては手を合わせたことでしょう。
今日、無事に朝日を拝むことが出来て良かった。
この朝日を拝めるのは「今日だけかもしれない」と。
そして己の命を掛けた旅に、連れてこれなかった女(ひと)の無事を祈ったかもしれません。