劇場版実写ホリックを観ての感想
四月一日がネガティブなキャラクターになっていてびっくりしたが、元々四月一日は自己犠牲的でネガティブと呼べるキャラクターかも知れない。ただそれがギャグがないから顕わになっただけどいう気もするが、蜷川節の、「生きるとはなんぞや、己の居場所とは?」という、いつもの問いだという気がする。
ホリック実写版は、極めて実存哲学的な問いが根底にある。全ては必然である。ならば、思考停止することはいいことなのか?とか、他人との違いをどう受け入れるのか?とか、自分は何によって構成されていくのか?とか。そういった中で四月一日が、主体的に動くことで自我を確立していく。簡単に言えばビルディング・ロマンスなんだ。ただ、そこに色々な要素が絡んでいて、エモかったり、色彩的に心地よかったり、ちょっとBLっぽかったり、ホラーっぽかったりSMぽかったりする。そういう全てが、蜷川美香さん始めとする色々なスタッフがホリックという作品に真剣に向き合ってくれた結果出てきたサブカル味だと思うと、なんだか嬉しかった。