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“書き頃”まで熟成させる

中学生頃から、何かを思いつくたびにメモをする習慣がある。学生時代は、そのほとんどが創作に関するネタだったけれど、今はnoteやブログに書きたいと思ったものの断片をメモすることも多い。

昔は手書きのノートだったけれど、今はほとんどがスマホに詰め込まれている。中にはnoteの下書きに直接入れられているものも。キーワードだけであったり、一文であったり、タイトルだけであったり、メモの形はさまざまだ。

他人が見たら「なんだこれ」と思うような言葉の羅列は、わたしにとって思考の記憶のトリガーだ。思考の流れは速くて、思い浮かんだそのときに書き留めておかないと、押し流されて消えてしまう。

「あれ、さっき思いついたあれ、何だったっけ」となるのはしょっちゅうで、だからわたしはなるたけすぐにメモをするし、メモができないときは“小さい子のお買いもの方式”をとる。要するに、そのフレーズを脳内でメモできるまでリピートし続けるのだ。

この手のメモは、すぐさま形にするべきものと、時間をおいてから形にすべきものとに分けられる。熱量の問題で、「時間をおいてしまうとうまく書けない」という言葉を見聞きしたことがある。確かにそうした言葉もたくさんあるのだけれど、逆に「今はまだ書けない」というものもあるものだ。

特に創作は顕著だ。現に、一昨年書き上げた作品の場合、着想したのは12年ほど前。当時はうまく形にできず、断片ばかりを増やし続けてきたのだけれど、一昨年突然形になった。

言葉は、ワインのように熟成されるものなのかもしれない。そのものによって飲み頃が異なるように、書き頃も異なるものなのだろう。

できるだけ頃合いを見誤らないようにして、今書けるベストな内容を書いていきたい。


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卯岡若菜
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