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YA文学って何ですか

わたしは創作畑の人間だ。一般小説やファンタジー小説など、さまざまなものを書いてきたけれど、ここ数年は児童文学を書いている。

「児童文学を書いている」と言うと、多くの人は、童話など幼い子どもが読むものをイメージするらしい。「どんなのを書いているの?」と尋ねられると、「YAってわかる?」と答えているのだけれど、通じた試しがない。知られていないのだなあと思う。

YAはヤングアダルトという意味。ジュブナイルと呼ばれていたこともあるらしい。小学校高学年から、主に中高生を対象としているジャンルで、作品によっては大人が読んでも読み応えのあるものも数多い。

Young Adult(ヤングアダルト)略してYA(ワイエー)を知っていますか?アメリカで13歳から19歳の世代の人たちに対して使われている言葉で、「若いおとな」という意味です。この年代は、心の揺れ動きがもっとも激しい時期。まさに「読書」がいちばん必要なときといえるでしょう。
「ヤングアダルト出版会」HPより

ジャンルのイメージを伝えるときに例に出すのは、あさのあつこさんの「バッテリー」であったり、森絵都さんの「カラフル」だったりするのだけれど、これらの作名を出してはじめて、「ああ、そういうのかあ」とわかってもらえることがほとんどだ。YAという分野名はあまり知られていないのだなあ。

わたしの中では、主人公が小学校高学年から中学生。高校生……はわたしは公募用には書いたことがないのだけれど、それくらいの年代の子で、その年頃の子以降の年齢層であれば、誰でも読めるものがYAだと捉えている。

児童文学の一分野だけれど、決して子ども向けだというわけではない。子どもから読めるという位置づけだ。たとえば、「あの頃はフリードリヒがいた」も児童文学なのだけれど、あれが子どもだけに向けたものだとは、読んだことがある人は思わないのではないかな。


「なんで児童文学・YAを書いているの?」と尋ねられたことがある。一般小説ではなくて、という意味だろう。

別に深い理由があるわけではない。あえていうなら、わたしが「書きたい」と思う感情やテーマのようなものを描くとき、より書きやすいのがこの分野だからだ。そして、自分自身がその年代のときに感じていたもの、その当時のわたしが喜んだだろうものを書きたいという思いもある。

また、読み慣れてきた分野であることも関係しているかもしれない。わたしが一番本を読んでいた時期が小学校高学年くらいだったから。(このことについては、また別で書きたいのだけれど)

児童文学(YA)は、一般小説とは違って、はじめと終わりで、登場人物や主人公に何か成長があるものが多いという特徴がある。気づきであったり、変化であったり。そして、何かを失ったとしても、失っただけでは終わらない。大団円という言葉が適しているのかはわからないけれど、大きなくくりでハッピーエンドになるものが基本だと感じている。(専門家ではないので、あくまでわたしの主観)

これが、いい。

なんというか、人生にはつらいこともあるけれど、やっぱり人生讃歌を歌いたいし、悪意のある人間はいるけれど、性善説寄りで生きていたい(時として青くさい)わたしには、読んでいて気持ちがいいものなのだ。もちろん、書いていても、だけれど。

多感な子どもだった。だからこそ、この手の物語が寄り添ってくれているように感じていた。ただの娯楽だけではなくて、よりもっと深いところで感じ読んでいたように思う。


今はライターとして仕事をしているけれど、わたしの原点はあくまでも創作なのだろうという気持ちはずっとある。プロとしてお金を得ているわけではないので、ライフワークというか。

あまりこうした話をすることはないのだけれど、「YAってなんぞや」「卯岡さん、何の創作してるの?」って訊かれることがあったので、書いてみた次第です。

(たまに創作話を無性にしたいときがあります。最近顕著。ああ、誰か……)


#エッセイ #創作話 #創作 #児童文学 #YA #わたしのこと

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卯岡若菜
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