見出し画像

TENTIALに入社してからの激動の1年半を振り返る~part3【最終話】~

こんにちは、神宮寺です。

TENTIAL振り返りシリーズの第3弾になります。
第1弾・第2弾を読んでいただけると今回のnoteが読みやすくなるかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

このnoteを書くのはなかなか気合が要りますので、更新頻度が亀さんペースであることをご容赦ください。
本心で気持ち込めて書いてますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいなと思います。

では早速いきましょう。


◆どん底の中に差しこんだ光

2022年8月1日。
私がTENTIALに入社してから1年が経ちました。

改めて振り返ってみると、高校生のような濃密な1年間だったような気がします。

1年もあれば人はガラッと変わります。
そんな世の中にありふれた言葉が身に沁みるくらい色んな経験をしてきました。

ただ、そんな山あり谷ありの1年を過ごしてきた中で、この日は過去最大の「どん底」でした。

「今期は目標を大幅に下回ってしまうかもしれない。」

この言葉が、四六時中頭の中を駆け巡っていました。
自分の得意な運用型広告でも売上を伸ばし切れず、新しく見つけたYoutuberタイアップ等の施策を駆使してもそれでも届かない。
そして、いよいよ今期の半分が終わってしまった。

TENTIALのプロダクトの特性上、秋冬の方が売上が伸びるので、目標は下期に比重を乗せていました。
未達に終わってしまった上期の残り分を補いながら、さらにベースの売上も伸ばさなければならない。

打開策が見いだせないまま迎えたこの日は、まさに「どん底」でした。

そんな焦燥感に埋め尽くされていた状況に一筋の光が差しました。
忘れもしない2022年8月4日。

弊社の代表的商品であるリカバリーウェアBAKUNEをとあるTV番組で取り上げていただきました。
某有名アーティストの方が番組の企画でBAKUNEを懇切丁寧に紹介していただき、サーバーがダウンしてしまうほど凄まじい反響がありました。

当然、売上も伸びました。しかも費用は1円もかかっていません。
まさに反撃に向けた一筋の光でした。

この出来事については、正直再現性はありません。もう一回やりたいと思ってもできるものではありません。

しかし、ただの「運」だとは思っていません。

品質にこだわった自信のあるプロダクトを作り、それを一人ひとりのお客様に真摯に向き合い、地道に広げてきたからこそ、起きたことだと思っています。
全く根拠はありませんが、私はそう思っています。

その後8月28日にもまた別のTV番組で取り上げて頂き、こちらも大きな反響がありました。

これらの出来事により一気に苦しかった状況から持ち直すことができました。

◆もたらされた新しい変化

このもらったチャンスを生かすも殺すも自分次第です。
TVの効果が一生続くことはありません。せいぜい2-3週間くらいです。

この機会をどう次につなげるか?というテーマに頭のメモリのすべてを費やしました。

そこでまずはTVによって流入してきた顧客の属性を細かく確認していきました。

すると早速大きな発見がありました。
これまでの顧客属性と比較して、男女比が逆転していたのです。

メディアの特性もあって、女性の購入が劇的に増えていたのですが、これほどまでに女性にニーズがあったことを認識できたことはすごく大きな気付きでした。

それと同時に一つの課題も認識できました。

男性に比べると、女性のCVRが低かったのです。

これまで実施してきたWeb広告は、その特性上CVRが高いと思われるユーザーに配信が寄るため、CVRの高い男性偏重の配信になっていました。

しかし実際は、BAKUNEを欲してくれている女性が多く存在して、そこのニーズを拾いきれる状態を作れていなかっただけ、ということがわかりました。

ここで見つけた新しいニーズをしっかりと拾いに行くことを最優先と考え、動き始めました。


◆改めて、基本に立ち戻る

ニーズを拾いにいくといっても様々なアプローチがありますが、ここは基本に立ち戻り、顧客の解像度を極限まで高めにいくことにしました。

行ったことはシンプルで、ユーザーインタビューをたくさん実施しました

直近で購入されたお客様が、どういう接点で、何を見て、何を思って、購入を決断したのか。そしてその後製品を使ってみて、どう感じているのか。

地道ではありますが、一人一人と深くコミュニケーションがとれるユーザーインタビューという手段を選択しました。

多くのお客様とお話をさせていただき、たくさんの気付きが得られたのですが、その中で1つ確信を持てた施策がありました

それは、「ギフト施策」です。

男性のお客様は、生産性を高めることや睡眠の悩みを解決することを目的に、自分自身用として購入されている方が大半でした。
ここは想定通りで、あまり違和感はなかったです。

一方で、今回のTVがきっかけでご購入いただいた女性のお客様は、ギフトとしてBAKUNE(リカバリーウェア)を購入された方がかなり多くいらっしゃいました。

TVでリカバリーウェアというものを知り、旦那さんやご両親など、疲労や睡眠について悩んでいる身近な方向けに購入されていました。
また、最初は自分用に購入した方も、効果を実感したのちに、旦那さんやご両親に追加でギフト購入されているケースもかなり多かったです。

その中でも、高校生の娘さんにBAKUNEを購入されたお母さまの話がとても印象に残っています。

「今受験勉強をすごく頑張っていて、本当に毎日夜遅くまで勉強をしていて。何か手伝ってあげたいけど、勉強を教えられるわけではないのでなにもしてあげられなくて・・。そんなときにTVでBAKUNEを知って、少しでも手助けになればと思って娘にプレゼントしたんです。そしたらすごく気に入ってくれて、よく眠れるようになったと喜んでくれました。毎日BAKUNEで寝ているので、洗い替えがあったほうがいいなと思いもう1個追加で買いました。ついでに私も欲しくなって自分の分も買っちゃいました。」

このエピソードを聞いたときに、「大切な人を応援するギフト」としてBAKUNEが選ばれていることを知れて、すごくうれしい気持ちになりました。
その後、私自身も両親にBAKUNEをプレゼントしましたが、やはりすごく喜んでくれました。

「ギフトは必ずBAKUNEを多くの人に届ける突破口になる。」

私は確信しました。

◆見出した新たな突破口

ギフトに突破口を見出したことで、照準をギフトの最大イベントであるクリスマスに設定しました。
それまでに「ギフトとしてのBAKUNE」を世の中に届けるための準備を整えることに全力を注ぎました。

クリスマスまでに新しいラッピング資材を用意したり、追加のギフトサービス機能を実装するのは時間的にどうしても間に合わなかったため、
現状の提供サービスの中で「ギフトとしてのBAKUNE」の認知を広げることにフォーカスをして、施策を展開することにしました。

クリスマスよりもはるか前の段階から、ECサイト上にギフトの訴求を盛り込み、ギフトを押し出したWeb広告のクリエイティブを積極的に配信・検証を行いました。

クリスマスキャンペーンなども準備はしていましたが、12月から開始予定だったので、
それまでの期間を無駄にせずいかにギフトを刷り込めるかと考えたときに、やはり投下量の多いWeb広告が最適であると考えました。

成果(=ROI)が合わないと多くの露出が出せないので、ここは徹底的にクリエイティブ検証を行い、成果の出るギフト訴求クリエイティブを発掘し、効率よく売上を作りながらギフトのイメージを植え付けることに成功しました。

そしていよいよ勝負のクリスマスキャンペーンが始まりました。

◆最後の大勝負

下期はTV放送の追い風もあって、順調に売上を挽回することができていました。
しかし、最大の予算を見込んでいる12月の目標が達成できなければ、これまでの努力も水の泡です

ちなみに目標は売上以上に"利益を最優先"で追っているため、広告費を積んで売上さえ伸ばせればOKというわけではありません。
きちんと利益が増えるようにROIを合わせなければなりません。

この状況下で、一つ大きな勝負に出ることにしました。

それは、過去史上最大規模のプロモーションの敢行です

多少リスクをとってでも、このタイミングで勝負をしかける必要があると私は判断をしました。
これまでと同じことをやっていても、同じ結果しか出ない。いつ何が起こるかわからないスタートアップの世界では、停滞はすなわち衰退を意味します

リスクをとった勝負をかけられるタイミングは、年に何回もあるものではありません。
しかるべきタイミングに、しかるべき準備をして、勝負をしかける。
私は、そのタイミングはここしかないと思いました。

「どうすれば、クリスマスギフトにBAKUNEを選んでもらえるだろうか?」

そもそも認知してもらえていなければ、選択肢に入ることはありません。
一方で、認知に振り切った施策で費用対効果を合わせるのは至難の業です。

認知をとりながら、しっかりと購入までつなげられる施策。
そこで白羽の矢を立てたのは、上期に新たな武器として確立した「Youtuber施策」でした。

このYoutuber施策に予算を集中投下し、大きなムーブメントを起こすことにしました。

今回はギフトという文脈に特化して、それまで起用していた方々とは系統をガラッと変えて、新しいジャンルにチャレンジしました
中途半端になってしまってはいけないため、リスクをとって(その分大きなリターンも見越して)、そのジャンルで最も影響力のある方を起用しました。

ジャンルはもちろん勘で決めたわけではありません。顧客データやユーザーインタビューのインサイトをもとに、かなり幅広いジャンルを検討したうえで、絞り込みました。

さらに企画についても、ギフトをしっかりと疑似体験できるように落とし込み、理想の企画を作り上げて、実現することができました。

Youtuber選定から企画内容まで徹底的に検討はしたものの、
期待:不安=2:8くらいの感覚で、実際の結果が出るまではずっとソワソワしてました。

◆勝敗はいかに

クリスマスキャンペーンが開始して売上はグングンと伸びていきました。

チームメンバーがこだわって作ってくれたクリスマス特設ギフトページや、限定ギフトセットが効果的に機能しました。
しっかりと準備した甲斐もあり、初動から想定以上の反響がありました。

そして、ついにYoutubeが公開されました。

ドキドキしながら5分おきに売上を確認したり、サイト流入数をチェックしたり、Youtubeの再生数やコメント欄をチェックしたりしていました。

すると、「何かの間違いじゃないか?」と思うくらいの反響がありました。

結果的には、当初試算していた計画の3倍の成果を出すことができました

最終的に、この月は売上・利益ともにギネスを記録し、大勝負をものにすることができました。

そして無事、通期の目標も達成することができました。


◆そしてまた新たな挑戦へ

2023年1月。
激動の第5期がついに終わろうとしていた頃、また一つ大きな転機が訪れます。

TV放送やクリスマス商戦を経て、BAKUNEをはじめとするスリープカテゴリ商品の売上がぐんぐん伸びていました。

そんな中で、スリープカテゴリの売上拡大を全社を巻き込んだ最優先プロジェクトとして、推進していくことが決まりました

そして、戦略立案や日々の細かな進捗管理、意思決定の速さと質を担保すること等を目的に、ブランドマネージャーをたてることになりました


この話が決まったときに、私の心の中の素直な気持ちは

「私がブランドマネージャーをやりたい!」

でした。

一方で、私の中に「本当にできるのか?」というもう一人の自分がいました。

「マーケティング部の部長をやりながら、全社の最優先プロジェクトを並行して進めることは可能なのか?」
自分の中ですごく葛藤があり、その会議の場ですぐに手を上げることはできませんでした

詳しくはあんまり覚えていないのですが、
その議論の流れの中で、「神宮寺さんが適任なんじゃないか?」みたいな話になりました。
その一方で、「リソース的に兼任で実現できるのか?」というごもっともな意見も出て、なかなか着地できずにいました。

そこで私はやっと
「自分がやりたいです。」
という言葉を発することができました。

正直、できる自信は全然なかったです。
この役割を担うことでつらい思いもたくさんするだろうと思いました。

それでも、自分がこの役割をやらずに、他の誰かがやっているのを外から眺めているほうがよっぽどつらいと思いました。

だからこそ、この話が出たときに真っ先に手をあげられなかった自分がすごく悔しかったです。
リソースだなんだと言い訳して、やりたいことを放棄している自分に腹が立ちました。

もしも他の人が手をあげていたら。
もしも自分がやるべきだと言ってくれる人がいなかったら。

自分がこの役割を担うことはなかったと思います。

数秒の決断で、自分の人生やキャリアがガラッと変わってしまうと感じた大きな出来事でした。
これからは、後先考えずに、やりたいことは「やりたい!」と即答すると決めています。

ちなみに、ブランドマネージャーになってまだ半年ですが、その中でも数え切れないほどの苦労と苦悩がありました。。

ただ一つ言えることは、決断したことに全く後悔はないということです。

TENTIALは、その語源がポテンシャルにあるように、挑戦する人を全力でサポートする文化があります。
新米ブランドマネージャーで至らない点だらけの私を様々な立場・様々な役割の方に全力で助けてもらっています。
それぞれがそれぞれの持ち場で全力でチャレンジしているからこそ、人の足を引っ張ってる余裕なんてありません。
この文化が私にとってはすごく心地よく、とても好きです。

そんなこんなでまた始まった激動の日々は今後のnoteでまた書きますので、ぜひ楽しみにお待ちください。


◆振り返り

改めて、入社してから1年半までの期間を振り返ってみましたが、「まだ1年半しか経ってないのか」という気持ちです。まさに山あり谷ありで刺激的で濃厚な日々を送っています。

今回書いたnoteの期間で得た気付きは、「勝負どころの見極め」の重要さです。
事業をやっていれば、追い風のときもあれば、向かい風のときもあります。
風は自ら作り出せることもありますが、外部要因でもたらされることが多いです。

追い風が吹いたときに、どこまでアクセルを踏めるか。ちゃんとアクセルを踏む準備ができているか。

その重要性を知ることができました。

言葉にすると簡単そうですが、実際はすごく難しい判断になります。
だからこそ、もっと中長期の視点で考え抜き、あらかじめどこで勝負をしかけるかを考えておかなければならないと痛感しました。
私はそれができてなかったため、苦しい状況を招いてしまいました。

そして、そこから脱出できたのは、すさまじく強いTV放送という追い風が吹いたからでした。(実現にもっていってくれたPRチームには感謝しかないです。)

今後も苦しい場面は多々訪れると思いますが、多少の向かい風は簡単にはねのけられるような準備をしていこうと思います。
そして、追い風が吹くタイミングでは、これまでよりもはるかに遠くに飛べるようなチャレンジをたくさんしていこうと思っています

さいごに、
もしほんの少しでも私たちと一緒にTENTIALでチャレンジングな日々を送りたいと思った方は、ぜひ即断即決で以下リンクから申し込みをお願いします!

ポジションないとか、募集してないとか、あんまり気にしなくて大丈夫です!
私と話してみて、「やっぱ違うな」と思ったらそれでも全然OKです!
(※マーケティングの情報交換も大歓迎です)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

一旦このシリーズはこのnoteで「完」とさせていただき、また次のシリーズが始まるのをぜひ楽しみに待っててください!

それでは~!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?