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詩ことばの森㉞「詩人の道で」
ある詩人が名前をつけたという道は、湖のほとりを巡ることができました。
ひとりで散策するのが好きなわたしにとって、とても居心地のよい場所でした。気がついたら、夕方近くなっていて、びっくりしたことがありました。
帰りのバスにどうにか間に合ったものの、のんきなわたしでも、この時ばかりはあわててしまった思い出です。
詩人の道で
昨夜 夢でみた湖を
今朝 歩いています
雨がふりそそぐ水面は
木々の影をにじませています
昨夜の夢がつづいていて
わたしは畔の道にいます
風は水面をゆらして
わたしの影を消してしまいます
霧にかくれている山に
あなたのアトリエがあります
古い木で作られた小さな家
深い森に沈むまえに
あなたにたどり着きたいのですが
詩人の道に案内図はみつかりません
森 雪拾