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詩ことばの森(117)「春の野」
春の野
昨夜の雨音で
眠れなかった僕は
朝になってからも
なんだか頭がすっきりせず
近くの川沿いを散歩している
川岸からは中洲が見えたが
そこだけ黄色く
菜の花が咲いていた
僕は立ち止まって
寝心地の良いソファのようだ
と思って眺めていた
空は曇り空だったが
春の訪れを目の前に
僕は少し元気が出たようだ
遠くで鉄橋を渡る
列車の音が聞こえてきた
どこかに旅に出てみたいな
いくあてのない旅に
どんよりとした心の重さのまま
さみしさの残る
春の野を歩いてみたい
(森雪拾)