![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121683570/rectangle_large_type_2_8089a11eacfc0313f0618db2e136d505.jpeg?width=1200)
詩ことばの森(62)「帰路」
帰路
帰り道は なかった
とおくで犬が吠えてるわ
月夜のなかで 君がつぶやく
薄墨の土に のびている
大きな木の 無数な枝影を
うつくしいと
君は言ったかどうか
もう忘れてしまったけれど
犬はたしかに
私たちのあとをつけてきた
森の湿地に浸された
悔恨の花の匂いを
嗅ぎ分けて
僕は耳をすませながら
小さな足音を
探ろうとした
それは やがて
深い闇のうちに
消えていった
帰路
帰り道は なかった
とおくで犬が吠えてるわ
月夜のなかで 君がつぶやく
薄墨の土に のびている
大きな木の 無数な枝影を
うつくしいと
君は言ったかどうか
もう忘れてしまったけれど
犬はたしかに
私たちのあとをつけてきた
森の湿地に浸された
悔恨の花の匂いを
嗅ぎ分けて
僕は耳をすませながら
小さな足音を
探ろうとした
それは やがて
深い闇のうちに
消えていった