詩ことばの森㉔「風が林を通りぬけるとき」
9月になると、暑さの中にも、どこか秋らしい涼し気な風が吹いてきて、
なんだか、さみしい気持ちになります。時間があっという間に過ぎてしまい、心のうちでは、何かやり残してしまったことがあるような気さえします。四季の移り変わりを、昔からひとは詩に書いたりしました。現代でも、特に秋の訪れは、ひとを詩人にするのかもしれません。
風が林を通りぬけるとき
風が林を通りぬけるとき
こころが遠くに離れていくようなきがする
私の足もとに枯葉をあつめながら
残された夢は行き場所を失いつつある
こもれびが狂おしいほどにまわりはじめる
痛みをともなう私の影さえもかき消そうとする
誰もいない場所で 空の青さだけが光を増していく
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