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【読書メモ】「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない

「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない (ディスカヴァー携書)
著者:三宅香帆
出版社 ‏ : ‎ ディスカヴァー・トゥエンティワン (2024/7/31)
発売日 ‏ : ‎ 2024/7/31


【まとめ】
「好き」の言語化には、「自分だけの言葉(感情)」が重要。
他人の言葉と距離を置き、自分の言葉をつくる。

自分だけの言葉(感情)をつくるには、
◯「好き」を細分化する
◯他人の言葉に支配されない


この本は、書評家である著者が身につけた、「推し語りのために必要な技術」について書かれている。

推しを語る時に一番重要なことは「自分だけの感情」

・「自分だけの感情」とは、他人に影響された言葉ではなく、自分オリジナルの感想を言葉にすること。
よく言われる言い方をすると、「自分の言葉をで話す(書く)」に近いかもしれない。

以前noteにまとめた「言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方」にも類似した内容が書かれていた。


「好き」を細分化する

・感想を書くうえで大切なのは「妄想力」。
妄想力とは、何がよかったんだろうと自分の考えを膨らますこと。

・妄想は、客観的にあっているかどうかはどうでもいい。
とにかく考えを広げることが重要。

・感動したことを文章にしたいとき、すぐに言葉が出てくるわけじゃない。
感動した直後は、頭の中がわーっと騒がしくなっている状態。

・自分の言葉をつくるプロセス
① よかった箇所の具体例を挙げる (どこな)
② 感情を言語化する (どういう、どうして)

①言語化とは、細分化のこと

・よかったところを細かく具体的に挙げる
「自分がなにに感動したのか?」「どこを面白いと思ったのか?」「なんであの場面にもやもやしたのか?」「違和感を覚えたのはなぜか?」など、自分の感情を細かく観察する。

・言語化で大事な点は、自分の感動をいかに細分化できるか。

・これは箇条書きでもOK
例えば、好きなアイドルのライブについて語りたい場合
・一曲目に〇〇の曲がきたこと
・〇〇のタイミングのMCで「〇〇」という発言がでたこと
・〇〇のダンスがうまくなっていたこと
・〇〇の衣装がかわいかったこと
など

・感動したポイントを細かく挙げることによって、自分の感想が自分だけの言葉になる。

・具体例が細かければ細かいほど、他の人と違う感想になりやすい。

・言語化とは、「どこが」どうだったのかを、細分化してそれぞれを言葉にしていく作業。

②感情の言語化には、パターンがある

①で挙げた「よかった箇所の具体例を挙げる(どこがよかったのか)」に対して、「どういう感情を抱いたのか」「どうしてその感情を抱いたのか」を考える。

・面白さとは「共感」か「驚き」である。
歌人の穂村弘さんが『短歌の友人』(河出書房新社)という短歌の解説書で、こんなことを書いていた。

・「感想の言語化」とは、なぜその感想を抱いたのか、その原因を考える作業でもある。

・大切なのは、語彙力ではなく、細分化。


他人の言葉に支配されない

・自分の「好き」を言語化するうえで、一番大事なことは「他人の感想を見ないこと」。

・クリシェ(ありきたりなシュチュエーションや台詞、言葉のことをフランス語で「クリシェ」という)が、自分の感想を奪う。

・他人の言語化に頼らない。

・他人の感想を見るのは、自分の感想を書き終わってから。

・ありきたりな言い方を避ける
「やばい」と書きたいとき、「どこがやばいのか」「どういう風にやばいのか」細分化する。

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