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VRoid製VRMアバターをVRChatで使えるようにする方法(2024年版)

以前書いた記事の情報がだいぶ古くなっていたので、2024年7月時点でのやり方をメモしておきます。

基本的な流れは大きく変わらずです。


前提条件

本記事では以下を前提条件とするため、該当部分の詳細は省いています。

  • Unityアカウント作成済み

  • VRChatアカウント作成済み

  • VRChatのTrust RankがNew User以上になっている

まずは、VRMアバターをVRChatで使える形に変換するためのUnityプロジェクト環境の準備をします。

VRChat Creator Companionの導入

VRChatへログインし、Download画面でVCC(VRChat Creator Companion)のインストーラーをダウンロード&インストールします。

本記事執筆時点の最新バージョンは2.3.2でした。

Unityプロジェクトの作成

VCCを起動して新規プロジェクトを作成します。Projects画面右上の「Create New Project」をクリック。

「Avatars(2022の方)」を選択し、プロジェクト名を入力して「Create Project」をクリック。これでUnityプロジェクトが作成されます。

サポート対象バージョンのUnityが入っていない場合はインストールします。

本記事執筆時点では、Unity 2022.3.22f1 が推奨されています。

The current Unity version used by VRChat is 2022.3.22f1

If you have Unity Hub installed, you can click this link to install the correct version of Unity. 2022.3.22f1 is also available in the Unity editor release archive.

Current Unity Version | VRChat Creation

VRM Converter for VRChatの追加

VRMの変換用に「VRM Converter for VRChat」を導入します。対象のコミュニティリポジトリを追加すると、VCCでパッケージのインストールが可能です。

VRChat CreatorCompanion (VCC/VPM) のコミュニティリポジトリとして、以下のURLを追加します。
https://esperecyan.github.io/VRMConverterForVRChat/registry.json
※以下のURLをクリックすることでもリポジトリ追加が可能です。
 https://id.pokemori.jp/vrm-converter-for-vrchat

VRM Converter for VRChat - ぽけもり BOOTH支部

リポジトリ追加後、対象プロジェクトの「Manage Project」を開き、「VRM Converter for VRChat」を追加します。

作成したプロジェクトの「Open Project」ボタンをクリック。

Unityプロジェクトが開きます。

これで事前準備は完了です。

VRMファイルの変換

続いて、Assets配下に変換したいVRMファイルをドラッグ&ドロップします。自動でインポート処理が走り、VRMファイルと同名のPrefabファイル一式が作成されます。インポート時には複数のファイル郡が展開されるため、Assetsフォルダ直下に「VRM」用のフォルダを作成しておくと管理しやすいです。

VRMファイルと同名のPrefabがアバターの本体

作成されたアバターの「.prefab」ファイルを選択した状態で、メニューの [VRM0] > [Duplicate and Convert for VRChat] を選択。

表示されるウインドウにて「複製して変換」をクリックし、VRChat用に複製&変換されるPrefabファイルを保存します。変換時にアバターが「なで肩」になってしまう場合は「肩の高さ」を「0.02」くらいにしておくと、良い感じになります。

ファイル名に「(VRChat)」がついている変換済みPrefabがHierarchyに追加され、Scene上でアバターの表示確認ができるようになります。

必要に応じてアバターの瞳や揺れ物の調整等を行いましょう。

例:瞳の稼働域調整
例:胸揺れ調整
例:Avatars3.0 VRoid Layers POWER UPの導入など

アバターをVRChatにアップロード

アバターの調整確認が済んだら、メニューの [VRChat SDK] > [Show Control Panel] を選択。

VRChat SDKのウインドウで、VRChatアカウントのサインインを行い、VRChatと連携します。

[Builder]タブの「Avatar Info」プロパティでアバターの名前などが設定できます。「Select New Thumbnail」をクリックすると、アバターサムネイル画像が設定できます。サイズ 1,200×900px(画面比率 4:3 )の画像を用意しましょう。「Capture From Scene」クリックでUnityのScene上で撮影した画像も取れますが、VRoid StudioやVRM Posing Desktopを使えば、サイズ指定で簡単にポーズをキメたスクショ撮影ができるのでおすすめです。

Validationsの内容を確認し、問題なければOnline Publishingでチェックをつけて「Build & Publish」をクリックします。

しばらく待つとアップロードが完了し、VRChatでアバターが選べるようになります。

やったぜ。

補足

Blueprint IDについて

VRChatへ新規のアバターをアップロードする際、アバターのBlueprint IDが自動的に割り当てられます。このBlueprint IDは、アバターオブジェクトの「Pipeline Manager」コンポーネントに設定が保存されています。

アバターのモデル差し替えを行なったり、後述のQuest版アバターをアップロードする際など、同一アバターに対して更新を行いたい場合は、Blueprint IDを一致させる必要があります(Blueprint IDが空の状態だと新規扱いされます)。

アップロード済みアバターのBlueprint IDは、VRChat SDKのControl Panelで [Content  Manager] タブを開き、対象アバターの「Copy ID」から取得できます。意図せず空欄になっている時は、このIDをAttachし直します。

Blueprint IDは、WebのVRChatのマイアバター詳細ページのURLでも確認できます。アバターアップロード時にBlueprint ID関連のエラーが表示される際は、このあたりの設定を確認しましょう。

Quest対応版アバターのアップロード

Quest対応したアバターをアップロードする際は、Unity Hubで「Android Build Support」を追加する必要があります。

モジュールの追加後、VRChat SDKのControl Panelにて、Selected Platformを「Android」に切り替えて「Build & Publish」します。

Quest対応アバター:ホノカ - Honoka - sep-neko-ya - BOOTH

Blueprint IDを紐づけてアップロードすれば、PC版とQuest版の両方に対応したアバターを使用できます。

Quest版VRChatで使用確認

なお、Unityプロジェクトを開いた状態で、Android Build Supportモジュールを追加し、Buildしようとすると「The type or namespace name 'AndroidExternalToolsSettings' does not exist in the namespace 'UnityEditor.Android'」というエラーが出ます。この場合はUnityを再起動すると解消されます。

参考:https://discussions.unity.com/t/the-type-or-namespace-name-androidexternaltoolssettings-does-not-exist-in-the-namespace-unityedit/883106

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