【感想】読書感想文「厭魅の如き憑くもの」_非実在女子大生、空清水紗織の感想Vol.0045
ネタバレあり感想。
民俗学的なミステリーが読みたくて手に取った、シリーズ一作目の作品。
著者の三津田さんご本人がおっしゃる通り(※)で、ホラーなのかミステリーなのか、最後まで読まないと分からないお話でゾクゾクしました。
ホラー、オカルトの枠組みの中で推理するフェノメノシリーズに近いのかなと思って読んでいたけれど、最終的には本格ミステリーでしたね。
※「講談社ノベルス」の特集記事?のようなサイトでの一問一答にて。
このサイト、シリーズの中での年表や相関図も載っていて、制作側の熱量が感じられる良いサイトです。
言耶の推理が行ったり来たりで、様々な可能性が提示されるのも私は好きでした。
井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」でもそうでしたが、「この場合はこう」「でも、そうするとこれが成り立たない」「ということは……」という流れで、あらゆる可能性を考えてもらえると、一緒に考えている気分になれて楽しいですね。
ちなみに「おわりに」のネタばらしで読み違いをしてしまい、理解するのに結構時間がかかってしまいました……。
同じような人がいないよう(多分いないだろうけど)、どう読み違えたかメモしておきます。
『「壱」から「陸」までの彼女の異様な日記』という文章の『日記』に気を取られ、「紗霧の日記より」を書いたのが実は「小霧」だったという誤読をしてしまったため、戸惑いました。
『「壱」から「陸」までの』というのは、「紗霧の日記より」「取材ノートより」「漣三郎の記述録より」以外のものを指していたんですね。
一部の章を分かりやすく書くと
ということでした。
気付くまで時間がかかったのが恥ずかしい……。
けど、理解できた瞬間が気持ちよかったので良し。
章ごとに視点が切り替わるから、ノベルゲームにしても面白くなりそう。
このシリーズ、追いかけていきたいなあ。