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チームを伸ばす10の視点⑩ケア~無理は続かない。ときには休養も

 2000年頃より過酷な労働による過労死、突然死が社会問題になった。働き方改革が叫ばれる中、近年、自殺の防止のため、厚生労働省は、自殺とうつ病の関係の研究を行なってきている。
 こうした状況を踏まえ、企業リーダーは一人ひとりの心身両面の健康状態を正確に把握(はあく)しておく必要がある。無理は決して長続きしない。病気や事故の原因にもなる。ときには休むようアドバイスすることもリーダーの役目であろう。
 また、体調が悪いときに「休む」と言いだしやすい雰囲気を、チーム内につくるのも大切だ。
 現実社会での戦いは熾烈(しれつ)であり、冷厳である。だからこそ、チームの一人ひとりが生き生きと活躍できるように、細心の配慮を尽くしていきたい。
 また、各人が自らの健康管理に注意を払うのは当然のことだ。交通事故なども油断した瞬間に起こることが多い。病気や事故はまわりの人に心配をかけ、チームに悪影響を与えることにもなる。賢明な自己管理が重要だ。

■笑いで元気づける
 アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏は、難病である膠原(こうげん)病を、「笑い」によって完治させた。氏は、「十分間、腹をかかえて笑うと、少なくとも二時間は痛みを感ぜずに眠れるという効き目があった」と言う。
 近年、「笑い」のもつ力が、心身両面の健康をもたらすことが注目されている。まじめな会話のなかにも、ユーモアをはさむことによって、人びとの心に親しみを抱かせることもできる。
 笑顔あふれるチームには団結が生まれ、勢いが出てくるものだ。リーダーは、皆を元気づける話を心がけたい。
 言葉は重要である。人間は、一言で争いもすれば、仲良くもなる。無神経な言葉に傷ついた心は、簡単には癒(いや)されない。ましてや、リーダーのひと言は重い意味をもつ。誰からも信頼されるような、聡明で、洗練された言葉づかいを身につけなければならない。無責任で軽薄な言動は厳(げん)に慎(つつし)みたい。
 ともあれ、チームとは単なる集団ではなく、一人ひとりの人間の集まりである。個々人が楽しく活動できるような、温かで人間性豊かなチームを創造すべきだ。
 そのためには、リーダーはもちろん、一人ひとりが人間としての成長に真剣に取り組むことだ。個々人が力をつけ成長したときに、チームの力は無限に伸びていく―。

Check Point!
□チーム内に無理をしている人はいないか?
□チーム内に笑いはあるか?
□言葉づかいに注意を払っているか?

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