泥臭く足掻くのをやめなかったからこそ私は生きてる人
むかしむかし、ある山奥の村に、智(さとし)という若者が住んでおりました。智は村一番の物思いにふける青年で、いつも何かを考えては村人たちを困らせておりました。
村人たちは「考えるばかりで何も生み出さぬ奴だ」と智をさげすみ、両親さえも「もっと実践的なことをしなさい」と諭すほどでした。
ある年、村に大干ばつが訪れました。作物は枯れ、川は干上がり、村人たちは途方に暮れました。多くの若者たちは村を捨て、都へと逃げ出していきました。
しかし、智は考えることをやめませんでした。昼も夜も、水