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重ねる美学:2008年春夏 コムデギャルソン オム プリュス “スーパーインポジション”

今回紹介するのは2008年春夏シーズンのコムデギャルソン オム プリュスから登場した、"スーパーインポジション"をテーマにしたジャケットです。あの川久保玲さんが手がけるコレクションの中でも特に印象的な作品の一つとして知られています。このシーズンのテーマである「重ね合わせ(スーパーインポジション)」は、デザインの中でどう表現されているのか?着用感や見た目の面白さなど、リアルな視点からご紹介していきます。

“スーパーインポジション”って?
まず、「スーパーインポジション」とは何なのか?これは単に「重ねる」という意味にとどまらず、視覚的な驚きや新しい発見をもたらすための手法です。川久保玲さんの手にかかればただのレイヤリングでは終わらず、既成概念を打ち破るデザインへと昇華されます。このコレクション全体には同じ素材やパターン、色合いを重ねることで生まれる独特のバランス感覚が光ります。視覚的な重なりが強調されているため、一見して「なんだこれ?」と思わせる強烈な印象を与えるのがポイントです。

2008SS Comme des Garcons Hommes Plus "スーパーインポジション" Jacket

今回入手したのはまさにこの「スーパーインポジション」のジャケット。見た目はもちろん、着たときのフィット感やシルエットも抜群で一言で表すなら「現代のテーラリングを再解釈した作品」といったところでしょうか。ジャケット全体には複数の素材が巧みに配置されていて同じアイテムの中に異なる質感が共存しています。例えば、表地にはウールとコットンが組み合わされており、部分的にシルクのような光沢感のある生地が覗きます。これによって、光の当たり方や角度によって見え方が微妙に変わるのが面白いところです。

背面には大胆なスリットが入っていて、動いたときの揺れ感がとても美しい。また、袖口や裾部分には未加工のエッジが残されており、ややラフな印象も与えます。このあえての不完全さが全体のバランスを絶妙に保ち、完成度の高さを感じさせてくれます。

コムデギャルソン オム プリュスについて
コムデギャルソン オム プリュスは、メンズウェアの分野で常に革新的なアプローチを試みているブランドです。オム プリュスはただのメンズラインという位置づけを超え、まるでアート作品のようなクリエイティブなデザインを毎シーズン提案しています。川久保玲さんのユニークな視点が色濃く反映されており、他にはない独自の美学を持っています。このブランドの作品を手にするたびに単なる服ではなく、新しい価値観を手に入れたような気持ちになるのが魅力です。

このジャケットをどうスタイリングする?
このスーパーインポジションのジャケットは一見すると派手に感じるかもしれませんが実は着回し力が高いアイテムでもあります。デニムと合わせてカジュアルダウンさせたり、スラックスと合わせて少しフォーマルに寄せたりと、コーディネートの幅が広いんです。ポイントはジャケットの重なりや素材感を引き立てるシンプルなインナーを選ぶこと。無地のTシャツやシャツと合わせることでジャケットの存在感を最大限に引き出すことができます。

足元はブーツやドレスシューズでキリッとまとめても良いし、スニーカーでカジュアルに崩してもバランスが取れます。アクセサリーは控えめにシンプルなシルバージュエリーやレザーアイテムでミニマルにまとめると全体の調和が取れてオシャレ感がアップします。

まとめ
2008年春夏のコムデギャルソン オム プリュスのスーパーインポジションジャケットはただの服ではなく、そのデザインやディテールに込められたメッセージを感じさせる一着です。着るたびに新たな発見があり、見る人にも新しい感覚を与えてくれる、そんな特別なアイテムです。コムデギャルソンが持つその唯一無二の世界観をぜひ体感してみてくださいね。


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