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2020年代を生き抜く20~30代のための生存戦略「第2回」

20代の方は30代を、30代の方は40代を生き抜くためには勉強が大事。勉強の重要性や、何をどのように勉強するのがよいか。前回は、そんなことを書きました。改めて振り返ると、けっこうテクニカルな内容を書いてしまったと少し反省しました。

今回は基本に戻り、もう少し抽象的な話をします。

題して、何のために生きるのか、です。

その前にマガジンの紹介をさせてください。本記事は連載の第2回に相当します。この記事に最初に来てしまった方は、ぜひ「はじめに」から読んでいただけると幸いです。

自らの幸せを希求する

結論から述べますが、一も二もなく、自分自身の幸福をこそ最大限に希求してください。希求は、ききゅう、と読みます。強く願い求める、という意味です。

この考え方の重要性を説明するために、悪いパターンをふたつ紹介させてください。

まずは、自分以外の誰かのために生きてしまっているというパターン。尽くす、という生き方は陶酔的で、ときに快楽を伴いますが、長期的に見ると、これはよろしくありません。あなたの人生は、他の誰でもないあなた自身の人生なのですから、他ならぬあなたが、すべての決定権を持つべきです。

自分の人生を自分で生きない。たしかに決定権を放棄し、誰かに手綱を持ってもらうことに安心を覚えることもあるでしょう。しかし、その誰かがいなくなってしまったら、を想像してみてください。自分自身の二本の足で立ち、誰かに導かれるのではなく、自分自身の意志で歩くには、自己判断そして自己責任という言葉がとても重要になってきます。生き抜くために、そして自分という物語の主人公でありつづけるために、自分の手綱は自分でしっかりと握りしめておきましょう。

次に、復讐に殉じてしまっているパターン。人間、生きていれば怒りを抱くこともあるでしょう。転じて、誰かに対する恨みに変わり、それを晴らしたいという憤りに駆られることもあるでしょう。しかし、物語をなぞるまでもなく、復讐はなにも生み出しません、非生産的な行為と言えます。仮に、復讐を果たしたとしても、後に残るのは荒野のごとき無だけです。

あるいは方向性が違うだけで、復讐もまた、誰かに捧げた生き方と原理的には同じかもしれません。 復讐に関しては、優雅な生活が最高の復讐である、という程度に捉え、優雅な生活を心掛けた方が、はるかに生産的と言えるでしょう。

自分の人生を生きる=ひとりで生きる、ではない

人生における優先順位の第1位に自らを掲げ、何事においても自分自身を優先するという考え方は、しかし自分本位だったり自己中心的だったりする生き方を肯定するものではありません。また誰にも頼らず、自分ひとりだけで生きていく、という考え方とも異なります。

よく誤用される言葉のひとつに、情けは人の為ならず、があります。情けは人の為ではなく、やがて巡りまわって、自分に戻ってくるので、誰にでも情けを掛けましょう=親切にしましょう、という考え方です。

つまり、真に自分自身を優先するならば、誰にでも親切に振る舞うことで、親切のすべてが自分に返ってくる、と言えます。ある種の矛盾であるようにも感じられますが、私の実体験としては非常に有効な考え方だと確信していますし、少なくとも向こう10年は頼りにして良さそうです。

また、この考え方を発展させると、情けは掛ければ掛けるほど、自分に戻ってくると言えるので、売れるときに恩を売っておく、という作戦が極めて高い価値を持ってきます。

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自分ひとりだけで、最後まで生きていかなければならないわけでもないことにも留意しましょう。コマを思い浮かべてください。ボードゲームで使う駒ではなく、回転させて遊ぶ独楽です。コマは回転力を有しているうちは、自らのたった一本の足で立ちつづけることが可能ですが、やがて回転力を失うと自立することができなくなってしまい、転がってしまいます。

人間も一緒です。バイタリティに溢れ、やる気があるうちは万能感も相まって自分ひとりで生きていける気になるのですが、ふとした拍子に思い込みが解けてしまうと、すぐに倒れてしまうのです。若さに身を任せ、2020年代を駆け抜けることはできるかもしれませんが、我々の一生は長く、2030年代も、2040年代も、きっと世界は何事もなかったように続くのです

求められるのは一発花火を上げる瞬間最大風速的な瞬発力ではなく、細く長くしなやかに続く精神的な筋肉なのです。

色々なひとに少しずつ頼る

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そこで取り入れたい考え方が、色々なひとに少しずつ頼る、すなわちバランス良く依存することです。

誰かひとりにどっぷり寄りかかってしまうと、その誰かひとりがいなくなった瞬間に、他に支えるものがなにもないので、すぐに倒れてしまいます。

なるべく色々なところに少しずつ顔を出し、色々なコミュニティに少しずつ属し、色々なひとに少しずつ頼ったり頼られたりして関係性を構築していきましょう。こうしておけば、支えがひとつなくなっても、他に支えられて倒れる心配がなくなります。

ただ、これは、自分で言うのもなんですが言うは易し行うは難しです。

人間というものは十人十色どころではなく、ほんとうに千差万別で、一方で黒いものが一方では白かったり、一方では常識とされるものが一方ではまるで通用しなかったりします。なかなか最適解を見つけだすことに苦労しますし、様々なところに関係性を作ったり維持するのは、ほんとうに体力と精神力の両方が求められます。

また、色々なところに少しだけ顔を出していると、いつの間にか自分が何者になっているのか、拠り所のない、ふらふらとした人間に思えてきて、なんらかのコミュニティの中央で、どっしりと構えている中心人物に対して憧れを抱くこともあります。

しかし、わたしは、この生き方こそ、これからの、荒波と雷に満ちた2020年代を生き抜く秘訣だと信じています。

理由のひとつは上述しました。なにかひとつに寄りかかるのではなく、支えを複数、持つことによる転ばぬ先の杖です。人生における必勝テクニックとも言える2つ目と3つ目の理由を、これから説明します。

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