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孫と私のケッタイな年賀状(佐藤愛子)

・なんかの手違いで実家から佐藤愛子の『孫と私のケッタイな年賀状』が届いた。多分母が自分に届いたのを間違えて僕に送っちゃったんだろうな、と。折角だから読ませていただいた。タイトル通り孫と佐藤愛子が写った年賀状と、エッセイで構成されている。年賀状の写真の破壊力が凄まじいものがいくつかあって、「晒し首」(佐藤愛子が落武者の晒し首を演じて、手前でお孫さんが拝んでいる)とか、「葬式」(佐藤愛子が復活した死体、お孫さんがそれにびっくりしているお坊さんを演じている)とか、これを年賀状としてもらったらおせちの分のカロリーを一気に消費してしまいそうな勢いだ。佐藤愛子は高校の頃に『ソクラテスの妻』とかを読んでなんとなくユーモアのある文を書く人なんだなあくらいにしか思っていなかったが、この年賀状の本でイメージが変わった、滅茶苦茶おもれー人だ、オモロが煮詰まって極振りしちゃってる。佐藤愛子の知人や親戚たちは毎年年賀状が楽しみで仕方がなかったのではあるまいか。私なら正月郵便受けの前で待機しちゃうと思うし、滅茶苦茶嬉しいと思う。人を喜ばせるgiveの心って大事だなって思った、なんなら本人たちも凄い楽しそうにしている。ここいらは創作の精神論に通じるものがある。楽しみながら作った作品を楽しんでもらえるのが最高の状態ではないか、と。ざっとしか読んでいないので、夕にまたゆっくり目を通したいと思う。


・では、また。

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