続・大学授業一歩前事始め
はじめに
上記の第150講で一端終了と宣言しておりました「大学授業一歩前」ですが、この度、記事の連載を再スタートいたします。今回の記事で何故、このような決断に至ったのかその経緯と今後についてまとめます。
コロナ禍を超えて
世の中はコロナが終わったという雰囲気になっており、一見すると日常に戻りつつあるように思われます。私自身は未だに後遺症に苦しめられており、コロナ禍は終わってないわ!と声を大にして言いたいのですが、それでは、コロナ前に戻っている側面は否定できない所もあります。
今までの「大学授業一歩前」は「コロナ禍における大学生に向けてのメッセージ」というコンセプトで私が記事を書いて頂きたい方に御依頼をしてきました。ですので、お聞きした質問は必然的にコロナ禍に関わるものが多くなってしました。
ですが、そろそろ寄稿して頂く方々にお聞きするものも、世の中の変化とともに変えていくべきではないかと考えるようになりました。そこで、従来の質問のいくつかを変えて、より「今」の社会状況に合ったものにします。
無くなる本屋
2020年から活動を継続する中で、noteで記事を記載し発信はTwitterで行ってきました。Twitterを見る中で、ほぼ毎月「〇〇の書店が無くなる」という投稿を目にしてきました。特にショックだったのは、私も大学時代によく通った渋谷の丸善や、地方に本屋を!という志のもと事業を行っていた那須ブックセンター等の閉店のニュースでした。
何故、本屋が無くなるのか。突き詰めれば、やはり本が読まれないという事実に答えが収斂されるのではないでしょうか。では、何故、本は読まれないのか。
私自身、社会人になって痛感しているのですが、本を読む/読める時間が無い。まず、平日で読める時間は朝の通勤時間ですが、眠いのでいつの間にか寝落ちして読めない(15分程度は気合で読んでいますが)。次に昼休みは「え。一人でいるの?昼休みも上司達でご飯いかないの?」と圧力をかけられて、読めない。そして帰り。ここだけは読む時間を死守しています。ですが、帰宅後はもう本を読める程に頭は元気ではなく、結局Youtubeを見て終わる。
このような日常を過ごしています。それでも、何とか抗ってはいます。ですが、やはり社会人になると読めなくなってしまう。書評家の三宅さんも下記の連載をしております。
このような状況を打破する一つの方法として、先生方や学生の方はどのように本を大量に読んでいるのか。そのような、個人それぞれが磨いてきた読書術をお聞きして、その知識を蓄積する場にしていきたいと考えています。もはや社会経済的なシステム上、時間が無いのを強制されている現代社会で如何にして本を読む時間を作るのかについて考えることが、読書という存在を身近にする方法だと信じています。
社会と繋がることで人間になれる
2023年4月に社会人になりそこから、12月まで約7、8か月の期間は正直に言うと人間として「終わって」いました。確かに仕事を通して社会とは繋がっていましたが、どこか物足りない感がありつつ、常に孤独を感じていました。このnoteを始めた2020年の始めもオンライン授業下で孤独なはずだったのですが、このnoteを通して、たくさんの寄稿して下さった方と読者の方と繋がることができ不識義と孤独ではありませんでした。
当時より断然、人と会っているのにいつも病んでいた原因は「自分で何かを始める/する」ということは一切止めて、言われたことだけをこなしていたからだと考えています。
なので、このnoteの「大学授業一歩前」を再始動するのは実は私自身が社会に戻るための「一歩前」の準備なのかもしれません。そして、私がこのnoteで救われたように、皆さんが学問を踏み出す「一歩前」になれば、もしくは社会と関わる「一歩前」になればと思います。
おわりに
コロナ禍の変化、書店の減少そして、いささか利己的ではありますが、私自身の一歩へ再度踏み出す勇気をもらうために、マガジンの「大学授業一歩前」を再開します。以前のように隔週リリースはできないとは思いますが、ゆっくりと少しずつまた知のアーカイブを構築していきます。改めて引き続きよろしくお願いいたします。