大学授業一歩前(第51講)
はじめに
今回は高校で教えてらっしゃる吉川佳佑先生に記事を書いて頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。そして「大学授業一歩前」は今回で、第51講目になりました。皆さま、記事を書いて頂きそして、読んで頂き本当にありがとうございます。次はひとまず、100講を目標に頑張っていこうと思います。
プロフィール
Q:ご自身のプロフィールを教えてください。
A:吉川 佳佑(よしかわ けいすけ)
1993年、石川県金沢市生まれ。高校教師。
2015年に金沢大学 教育学類を卒業後、地元の私立高校に英語教師として赴任。ICTを活用した教育の実践と普及に務め、現在は広域通信制高校で教鞭を執る。
Twitter: https://twitter.com/Yoshikawa_says
note: https://note.com/homeless_teacher
オススメの過ごし方
Q:大学生にオススメの過ごし方を教えてください。
A:よく「学生のうちに遊んでおけ」と言われることがありますが、私は逆に学生の頃にもっと勉強をしておけばよかったと後悔しています。大学はいわば、最近流行りのサブスクサービスようなもの。年間の学費さえ払えば、授業は受け放題で、図書館にある本も読み放題です。大人になるとお金も時間も増えるので、大学生の頃よりもっと楽しい遊びができます。なので今は、とにかく勉強をしてほしいなと思います。
必須の能力
Q:大学生に必須の能力はどのようなものだとお考えになりますか。
A:学ぶ力だと思います。これはいわゆる偏差値的な話ではなく、広義の意味での学ぶ力です。大学生はそれまでの中学や高校と違い、いろいろな経験をします。それは必ずしもポジティブなものだったり、成功体験ばかりではなく、中には面白くない講義を毎週90分受けないといけなかったり、アルバイト先で嫌な先輩の元で働かなければならなかったりということもあると思います。ただ、それは大人になっても同じ。大切なのは、反面教師でもいいのでそこから何を学ぶかです。そう考えれば、これまで経験してきたこと、そしてこれから経験することがより意味のあるものになっていくと思います。
学ぶ意義
Q:先生にとっての学ぶ意義とはどのようなものでしょうか。
A:学生さんもそうだと思いますが、人は日々の生活や仕事の中でいろいろなことに悩み、苦しみます。ただ、そのような課題は自分一人だけが持っているのではなく、他の人たちも同様。中には全く同じことに課題を持っている人もいますし、すでに解決してしまっている人もたくさんいます。そのため、人から話を聞いたり本を読んだりすれば、必要以上に今抱えている問題で苦しまなくて済む訳です。私はこれが学ぶ意義だと思います。
オススメの一冊
Q:大学生にとってのオススメの一冊を教えてください。
A:一冊に絞りきれないので、いくつかオススメを紹介させていただきます。ぜひ学生の間にいろいろなジャンルの本を読んでみてください。
1) 末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』ダイヤモンド社
「アートって何だか難しそう」「なぜ経営者の間で最近、アートが注目されているのか」と思う人は読んでみてください。「13歳からの」と書かれていますが、大人が読んでも面白いです。
2) 岸見一郎・古賀史健著『嫌われる勇気ー自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社
「人の目が気になる」「やりたいことがあるが、一歩足が出ない」という方は必読の一冊。私は学生の頃にこの本に出会い、人生が変わったと言っても過言ではありません。
3) 安斎勇樹・塩瀬隆之『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』学芸出版社
ワークショップを開いたり、人前で話す機会がある人のマニュアル本。「問い」をテーマに、その場をいかにいい空間にするかということが学べます。
メッセージ
Q:大学生へのメッセージをお願いします。
A:繰り返しになりますが、学生の間にぜひ多くのことを学んでください。方法は人それぞれですが私は、① いろいろな学生・大人の話を聞く、② いろいろな授業を受ける(単位にならなくても)、③ いろいろな本を読む、④ いろいろな場所を訪れることをよく挙げます。また、インプットはアウトプットをすることで質が深まると思っています。今はそれこそnoteのようなプラットフォームを使って、誰でも簡単に発信をすることができるようになりました。発信活動を続けることで、思わぬ出会いが生まれることもありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
おわりに
今回は吉川佳佑先生に書いて頂きました。お忙しい中の作成ありがとうございました。学んだ知識を自分に合ったやり方でアウトプットすることで、その知識がさらに深化すると思います。次回もお楽しみに!