大学授業一歩前(第103講)
はじめに
今回は大学院で経済学を研究してらっしゃる、なっしゅ様に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。是非ご一読下さいませ。
プロフィール
Q:ご自身のプロフィールを教えてください。
A:現在、大学院の修士課程1年です。経済学研究科に所属しており、博士課程への進学を予定しています。実はもともと学部の時は卒業したら就職するつもりで就職活動をしていましたし、有難いことに第一志望の企業から内定を早々にいただいていました。しかし内定が早かった分、何を差し置いてもこれがしたいんだ!と自分が心から思えるものが何かを考える期間が長くあり、それが研究だと気づいたので今大学院に在籍しています。
オススメの過ごし方
Q:大学生にオススメの過ごし方をご自身の経験から教えてください。
A:自分が人生をかけて打ち込みたいものを見つけるのは本当に難しいです。早くそれを見つけなければと学部1年の時に焦っていたのを思い出します。したいことを見つけた今、(自分以外の方にアドバイスなんて図々しくてできませんが)当時の自分にアドバイスするのだとすれば、「全ての関心ごとに本気になれ」です。本気で物事に取り組むからこそ、それが楽しいのか楽しくないのか、自分の人生をかけても後悔しないのかといったところが見えてくるのだと思います。
必須の能力
Q:大学生に必須の能力はどのようなものだと思いますか。
A:私は「図式化の能力」ではないかと思います。つまり「事象を簡単な図に落とし込める力」です。就職活動をしていた時も大学院に在籍する今も共通してこの力が必要だなと感じています。物事はとても複雑であったりしますが、それを分かりやすく人に説明しなければいけない時や自分がしっかりと理解しなければいけない時に、誰が見てもわかるような図を頭の中に描けるかどうかはとても重要なことだと考えています。
学ぶ意義
Q:ご自身にとっての学ぶ意義を教えてください。
A:どんな時が楽しいと感じるかは人それぞれですが、共通項目の1つは「成長を感じる時」だと思います。成長は、学び、それを自分のものにし、アウトプットする流れの中で感じるものだと私は考えています。だから、学ぶことは成長を感じるための第一歩なのではないかと思います。何かを学ぶことはきっと私たちが思っている以上に楽しいものなのではないかと考えています。
オススメの一冊
Q:オススメの一冊を教えてください。
A:『マンキュー経済学1 ミクロ編』です。私が最初に手にした誰が読んでもわかりやすい入門書です。経済学は専ら「論理思考力」が求められる学問だと言われています。経済学を学ぶことで、ある程度の論理思考力が身についたと私自身実感しているくらいです。経済学を専攻としていない方も、この入門書を是非手にとって論理的に物事を考えることの楽しさを経済学を通して味わっていただけたら経済学を研究していきたい身としてはこの上ない幸せです。(画像は、N・グレゴリー・マンキュー著・足立英之・石川城太・小川英治・地主敏樹・中馬宏之・柳川隆訳(2019)『マンキュー経済学Ⅰミクロ編(第4版)』東洋経済新報社です。)
メッセージ
Q:大学生へのメッセージを最後にお願いします。
A:たいそうな事をつらつらと書きましたが、私はまだ目標を決めて歩き始めたただのヒヨッコです。上にも述べましたが、目標を見つけること自体難しいですし、それだけでなくその目標に向かい始めたらそれ以上の困難さに直面すると思います。けれど、そうしてようやく見つけた目標はその目標に向かって進み出すこと自体、とても楽しいことだと思うはずです。
おわりに
自分が人生をかけて打ち込みたいものを見つけるのは本当に難しいです。早くそれを見つけなければと学部1年の時に焦っていたのを思い出します。
大学生活はモラトリアムでもあり、本当に何がしたいのか、何を学びたいのか、悩む方も多いと思います。ですが、その悩む時間そして悩み耐え抜く力もまた、大学生ならではの経験ではないでしょうか。次回もお楽しみに!