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未来のためにできること-印刷はオワコン?紙にする価値とは
こんにちは、ユニット制作課です。
株式会社ユニットは、大阪市西区にある印刷会社です。
このnoteではおすすめ商品、コラムなどを掲載しています。
「印刷」という業界に足を突っ込んでからかれこれ10年近く経つ。
この職を選んだきっかけは、高校時代から趣味であった創作活動から発展して印刷の仕組みが気になったり、他の創作者の活動の手伝いがしたいと思ったからだ。
しかし、新型コロナウイルスが発生・まん延する前と後で、世界はがらりと変わってしまった。
まず、同人誌即売会が軒並み中止になり、発表の機会を失ったことで作家たちの創作への意欲は薄れ、7割の作家が「同人誌の刊行ペースが減った」と、2020年11月に東京新聞が報じている。
SNSが発達した現代において、出力されたものをわざわざ会場に赴いて手にすることに特別な価値を感じる者は昔に比べると少なくなった。
組織的な経済活動としては、対面式のイベントが減少することでチラシや名刺といった「紙モノ」の需要が減ってきている。
わざわざ印刷せずとも、画像1枚をHPに掲載するなりメールに添付して送れば済むのだから、「環境意識の高まりとデジタル化の視点から」と前置きして年賀状を廃止する企業も多い。
「わざわざ紙にする」ことの価値を改めて考える必要がある。
筆者としては、欲しい本を会場で手に入れた喜びは、販売サイトでデジタルコンテンツをダウンロードするものでは得られないものがあると感じている。
書籍をはじめ、ポスターやチラシ、ハガキで受け取ったダイレクトメールで、キラリと光る箔押しやデコボコしたエンボスなどの特殊加工に目が留まった人も少なくないだろう。重みや匂いといった五感に訴えかけることができるのが紙のいいところである。
印刷会社を含め、紙業メーカーやデザイナーといった紙に携わった職業に就いている者こそ、その喜びや発見をいちいち拾い上げ、紙モノの面白さを発信していくべきだ。
そんな人々の背中を見れば、いずれ「私も」と意思を引き継いでくれる人が現れることだろう。