インドのとある少女のこと(詩)
昔 スイス フランスの国境に跨るCERN
そこでの実験で地球が飲み込まれる重力場が発生する
そんなことを空想悲観して
自死した インドの少女がいた
その少女は 幸か不幸かきっととても卓説した想像力を持っていたのだ
起こりうるその先を 一生懸命リアルに
時間経過の物語性をも持ち 思い浮かべてしまったのだろう
少女は自由になった向こうの世界で
その国境付近上空を訪れてみた
平穏として さやさやと風がながれ 羊が牧草を食んでいた
フランスで祭典がある頃
少女はとある国の上空を飛来してみた
おとなしい羊の群れのようであるその人達
生物種の根源的な約束事である
自己身体の保存の原則をも 忘れているかのようだった
何故か少女には 風にさらされる
小さな灯のようであるかのように見えた
少女は わたしのもっていた
逞しい想像力を捧げたい気持ちでいっぱいになった
思い違いであの時わたしはわたし自身を とじてしまったが
不本意ないのちへの諦念ではなく
いのちを閉ざそうとする事象や暴虐にあっては あらがうこと
ある種の粗暴さは 生命の存続と進化の為に必要であること
そのことへの
想像力を
少女は さらに上空へとのぼり宇宙との狭間近い場所まで 上昇した
そこでは ひとつひとつの灯りが
つながってひとつになるように みえた
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